家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

鋳造に裁縫

 と、宣言しながら銃砲所持や狩猟は、どうしても施主施工、生活、稼業に影響を及ぼしてしまう。法律やら通達やらで、平日に警察等に赴く必要があったりするんだなぁ。警視庁は土日対応もしてくれている所轄があったと思うが、我らが大阪府警では有り得ない様相。銃砲所管部署は、あくまでお役所時間のようである。

 

 それ以外に個人的に、時間を取られそうな事柄がある。それは、弾の無許可製造。お父さんは銃砲所持を通して初めて知ったのだが、日本でも鉄砲の弾を自分で造っても良いのだ。これは、警察だけでなく今度は経済産業省も絡んで来るがちゃんと法律内で認められている、無許可という名称だけども。

 鉄砲の弾の事を実包とかと言う。お父さんの所持銃の場合、空薬莢に雷管を嵌めて、火薬を入れて、プラスチック製の容器等を差し込んで、その容器に弾頭を挿入し、薬莢の口を加工すると出来上がり。そして、この実包一発の値段が高い物だと600円とかしたりする。平成29年で600円あれば、昼食一食分に缶コーヒー一本を買ってもお釣りが来る。それ程の金額が一瞬にして飛んでいくのだ、文字通り。

 

 お金の為に家でさえも造るお父さんが、弾を造らないわけがない。

 という事で、まずは弾頭鋳造から始める。そう、お父さんはとうとう鋳造までするようになりました。まぁ、融点が低い鉛や錫なので、蒸気と火傷に注意さえすれば然程困難ではない。と思いきや意外に難航。精度ある弾頭を造るには、経験やらコツが要りそうだ。まだまだだ。

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 それよりも、お父さんが嵌りそうだと危惧しているのは、射撃精度を得る為の研究。弾頭鋳造だけでなく、火薬量や種類の探求、プラスチック容器の選定やら薬莢の加工やら。既製品がやはり優秀というのが通説なのだが、そこに探求心がそそられている自分がいる。自身で造った弾が思い通りに飛んでお肉を獲るなんて、素敵やん。そして何より劇的に節約が出来る。

 

 他、銃器関連品や猟具の自作にも時間を要している。

 先に、アメリカから物品を輸入する旨を書いた。実際、既に多くの品物を購入し、今現在も学校英語と翻訳ソフトを駆使したメールでやり取り中。だが、言葉だけでなく法律が違う異国から全ての物が思い通りに揃うわけではないっぽい。数年前までは可能だった銃器等の危険物輸入不可は仕方なしとしても、日本国内で普通に売られている類の物でも輸出してくれない場合がある。

 

 そして、日本では必要なのに、アメリカではあまり造られていないっぽい物がある。それは銃袋。

 日本では原則、銃器や刃物を露出させて持ち歩いてはいけない。車の運転席に自身が居て外部から見えない助手席等にでも、裸で銃器や刃物や火薬類を露出させて置いたりしていると問題。俄かに信じられない話だが、大工さん等が現場に行く際の車内に刃物を入れていても場合によっては要注意らしい。だが、作業服を着た作業車に乗る職人に刃物工具について詰問する警察官が本当にいたら、給料泥棒と呼んでも良いんじゃなかろうか。

 狩猟中も同様。山やら池やら田畑やらの可猟区で事が済めば、そそくさと覆わないといけない。もし公道等で露出しながら歩いてしまい、巡回警察官にでも見つかるようなものなら即連行らしい。銃器は猥褻物と同じ不快物のようだ。それで実際に検挙される事案は度々起こっているらしい。どうも釈然とせん。シートベルト着用は見つかるか否か関係なくする物だが、銃器への覆い着用は安全無事故運用に何ら関係ないと思うんだけど。

 

 で、アメリカはどうか。完全承知していないが州か自治体に依るらしい。完全に隠せという所もあれば、隠し持っている方が却って危険だから出せという所もあったと思うし、何ら規制されてない所もあったと思う。何れにせよ猟銃を猟場の林道とかでさえも隠せよ、という法律は無いのではないか。と言うのも、銃を入れるハードケースは豊富なものの、袋という物は数少ない。寧ろ、日本国内の方が袋については豊富に見える。需要差ではないか。

 

 そして、お父さんは考えました。自身が明らかに危険行為を行っていたら粛々と処罰を受けるべし。しかし、こんな意義不明な法律にて現場でいちゃもん付けられたら気が悪いったらありゃしない。袋だろうが箱だろうが、林道や公道脇に停車した車からの銃器出し入れが必要だと、そのような面倒が生じないだろうか。ならば、袋に入れたまま山等に持って行って、やはり入れたまま装填や照準や発射が出来る物は無いだろうか。銃器保護にもなるし。

 お父さんは探しました。そして、見つけました。お父さん程度が考える事だけに日本国内では売られていた。しかし、それは許可が要る空気銃用。何で装薬銃用は無いんだ。需要が無いのだろうか。

 

 さすれば、無いなら造るのお決まりパターン。

 色々調べた結果、布は丈夫な米軍仕様か何かの品で尚且つ防水処理されている物で決定。しかし、国内小売では欲する量と妥当価格にて発見出来ない。という事で輸入。壊れていたのでこの機会にミシン新調。裁縫店の会員に入会、定員さんに色々教えて貰いながら、丈夫なミシン針と糸、その他諸々調達。

 で、一応完成。転居して以来、鋳造を含めて様々な工種を行ったが、とうとう裁縫までしてしまった。

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 小学校低学年の時だったかと思うが、玩具の拳銃を携帯する為のホルスターを造った事がある。普通の布に強度を得る為に厚紙を入れて縫い合わせた、年齢の割にはそれなりの物。

 だが、大人になっても同様の事をするとは思いもしなかった。慣れない作業の所為か、完成品は美しさが無いどころか所々下手さが出ている。それに、材料費は普通の安い銃袋既製品の三倍弱を費やし、製作工数は買物含めて3人工程も要してしまった。夜なべは勿論、時には施工を切り上げたりして行ったりと、影響を及ぼしているしなぁ。この手記も書いている暇がなかったわ。目下の不安は、一度も猟場に出た事が無い人間が造った事による実用性の有無だ。