家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

土地・家屋

まさかの亜麻仁油削り

書院撤去により中途半端になっていた付鴨居造作。同撤去後に造作した壁足元等の巾木も造作。諸々の埋木終了。凡そ1.5人工。そしていざ、古色塗装開始。お母さんにと言ったけども、あのお母さんに任せられないのでお父さんがする事に。 まぁ、兎に角ペタペタ…

謎の木紛

改めて古色塗り直しをした数週間後。ある部位の孔から木粉が垂れ落ちている事を発見。場所は、リビングと薪ストーブスペースとの間、欄間垂れ壁上部にある曲り梁の中央上部付近。 この梁の樹種は、用途と形状からマツじゃないかと思っている。以前に書いた、…

遺産樹についての遺言

ドングリから育てたこのシラカシ。もしかしたらアカカシかもしれないが、多分シラカシ。最樹高のものはとうとうお父さんの身長程になった。なので多分、この手記にてこのシラカシの事を書くのはこれが最後になるのではないか。という事でこの機会に遺言して…

北風には気を付けろっ!

この家に越して来てから幾年。意外に風が馬鹿に出来ないと思う事が度々。この地は大都会平野の終わり、山地の裾野になるかと思う。そしてたまたま山間となる。この山間に上手く入って来たのだろうか、時に風はちょっと恐怖心を感じる程に強い。二人にも分か…

気象庁には勝つ

ある意味漆塗りの「転」となる、硬化と作業での求める条件違いの気付き。と言っても分けられない。さて、どうしたもんか。 温度について。 土壁を断熱材とする一部本職等の間違った認識。土壁は蓄熱材だ。これは以前に述べた事がある。その後、ある方が書か…

自己所有家屋だけども賃貸家屋のように住まう。これぞ「家屋伝承」

養生の途中、以前の住人が不用意に貼り付けたシールを取り除き、改めて古色塗布。 何かの物を吊っておく為の引っ掛け具のシール跡。立派な梁にその引っ掛け具を貼ってしまう。一体何を考えてるんだ。いや、何も考えていないのだろう、ここに何かを吊りたいと…

白蟻じゃないよ、キクイムシだよ、食い跡だよ

背骨に当たるような大引兼根太を組んだ後は、その他の大引と根太組みに取り掛かる。 お父さんのこの箇所の施工方法は根太先行。周囲の根太を差し引きして床基準とし、それに合わせて根太を、その根太に合わせて大引を、その大引に合わせて束を、という具合。…

床組材は新築時のものか否か

探検さんが帰られる前、床捨て板剥がしにより露わになった床組について疑問を呈される。これは一度遣り換えているのではないか、と。 この家の決済手続き直後、すぐさま束の状態確認を行った。その際、問題無しとして終わっている。この家は70年程経ってもこ…

我が家の深井戸の経済性と実用性

古色塗布作業ではそれなりに水を使う。塗布道具や雑巾、それに手を洗う。一日の作業でそれら数回、これが数日続く。ふと横に目をやると井戸がある。 井戸の復活をするならば、溜まっている水を一度は抜かないといけない。そのむざむざ捨てる水を使えば一石二…

湿りと濡れ

キッチン勾配天井を施工していたのは梅雨時期。木々が生え繁る田舎地域。土葺瓦屋根に長い庇、それに土壁や多くの木材の家。それらのお蔭か、暑さはもとよりジメジメしたりムシムシした感はあまり無い。少なくとも、今までの街中の新建材やコンクリート家屋…

この家のこと:土蔵

そして、土蔵。 「蔵が建つ」などの表現がある通り、金持ち、物持ちの象徴。お父さんやお母さんには縁が全くなかった建物だ。この母屋にこの土蔵、いい感じだ。 しかし、問題がある。石積側に大きく傾いているのだ。建物自体ではなく地盤からくるものなので…

この家のこと:ガレージと温室

他にも、ガレージに温室。■ガレージ 憧れのガレージ。キレイな車に乗りたいが、洗車は面倒臭いお父さんとしては有難い。 しかし、この鉄板ガレージは、季節によって内部結露をするので汚れた水滴が車にかかり跡が残る。さらに、シャッターの接地箇所の地面が…

この家のこと:納屋と井戸小屋

それから、納屋に井戸小屋。■納屋 物置として使われていたようだが、汲取り和式便所付き。この家は、母屋、門屋、そしてこの納屋に3つも便所がある。人の出入りが多かったのかな、と想像。 壁は木舞の土壁で、荒壁、中塗りの上に漆喰仕上。瓦屋根に柱等も問…

この家のこと:門屋

次は、門屋。 門屋とは何か。お父さんも詳しくは知らないが、この家の門屋には当時の使用人が住んでいたようで、前所有者の子供部屋にもなっていたようだ。確かに居室化されていて、水道に電気、それに汲取り式便所や洗面台もある。■概要 こちらも登記簿等は…

この家のこと:母屋 -2-

■使用部材や建具 とにかく高級材が多い。 大玄関の上り框はケヤキらしいが、これを買うなら二桁万円になるだとか。差鴨居は、そもそも現代にはもう無い上に狂いが出ていないもので、訪れた大工が感嘆していた。 柱にしても同様で、各柱は四方が「無節」や「…

この家のこと:母屋 -1-

次に、母屋のことを。これから折に触れ書いていく事になりそうなので、ここでは既存のことをざっと触れてみる。建物配置等々でちゃんとしたアングルで写真が撮れなかったり、そもそも記録する意識があまりなかったので撮影してなかったりなので、3D-CADの絵…

この家のこと:土地と建物配置

当初から、母屋内部だけでなく敷地内全体を大きく変える事になりそうに漠然とながら思っていた。二人は、既存の状態を覚えていないだろう。それに、今後に関わってきそうな事案もある。なので、既存の状態の事を書いておこうと思う。 まずは、土地と建物。■…

市街化調整区域でも家は建つ

この家は、過去にも購入意思を示していた人が複数人いたようだ。しかし、いずれの人も買えなかった。銀行が融資してくれなかったからのようだ。 噂の域でお父さんも実際にあるのかどうかは知らないのだが、人的属性(客のランク)で隠れ最高ランクがあるらし…