家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

「変人」は自身を「変人」と思っていないから「変人」なのか?

 嬉しくないが、お父さんは変人だと思われている自覚がある。

 施主施工だけに留まらず、銃砲所持をする。今までの施主施工等については、好きだから、趣味だろう、等の比較的好意あるレッテルを貼られる事はあった。しかし、鉄砲が好き、射撃が趣味でスゴイね、との判断は貰えないだろう。この歳にして初めて趣味と言える物を手にしたのに、おいそれと人様に言えない。

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 警察以上に厳しそうなのは、そんな大多数の非所持者の方々。合法的に鉄砲を所持して歩いていても、「通報するぞ」とか「あっち行け」とか言われる事があるらしい。

 こんなご時世で、数少ない理解者は農家の方。と思っていたが一概にそうではないらしい。農作物への鳥獣被害が有る無し関わらず、毛嫌いされる方はされるらしい。何なら、猟師に有害駆除を頼んでおきながら、被害が収まって用が済んだら「あっち行け」態度を取る理不尽者もいる文章を目にした事がある。

 

 そのような時代に、何故銃砲を所持したりするのか。

 お父さんが生まれた頃にはもう所持者、という大ベテランの方に伺った事がある。お父さんの実技試験の指導員の方で、銃砲の危険性等についてご教授頂いた際の事。何故、未だ現役で所持や猟をお続けになっているのでしょうか。大変さの向こうに得られる何かがあるのですよね、と。非所持者でも言える、目にも耳にも危険云々の言葉に食傷気味、本物の狩猟家を目の前にして違う言葉を欲したんだな。

 すると、言葉に窮されてしまい、無粋な事を尋ねたのかと即座に後悔した。お父さん如きに一言で語れる物事じゃなかったのかと思う。

 

 お父さん如きの駆け出し者にとっては簡単。まず射撃をしたい、そして、どうせなら狩りもしたいという軽薄さ。

 ある方が狩猟を始める動機を三分類されていた。山歩きやアウトドア等から発展した「自然派」。肉が欲しいとか農作物を守る為とか、何なら動物が好きだからという「動物派」。そして、銃器が好きとか射撃がしたいとかの「鉄砲派」だ。お父さんは勿論「鉄砲派」。

 変人自覚はあるが、本人は至って普通の事だと思っている。お金が無いけど望む家に住みたいから施主施工。勿体無いし生活品質向上の為にチェンソーを所持して木こり。鉄砲好きだった男の子が大人になり当時の夢を叶えて銃砲所持。どうせなら、やはり資源が勿体ないから狩猟。何か変だろうか。

 

 銃砲行政の横暴やら世間の白い目の結果、問題が出てきた。鳥獣による農作物や森林被害、そして生態系の変化だ。ここで動いたのが、農作物所管の農林水産省と、森林等の生態系と狩猟行政所管の環境省。また、所持者を減らして来た警察の違法紛いの法運用が国会でも問題視。

 という事でそれはそれは色々あって、狩猟免許所持者は増加、銃砲所持する女性も増加、銃刀法運用も幾分か緩和。お父さんが変人ではないという時代がやって来るかもしれない。

 

 とは残念ながら思えない。

 かの狩猟と銃器大国のアメリカでさえ、狩猟家や銃砲所持者は減少しているらしい。州や地域によっては結構厳しいようで、銃砲店が政治的に閉店に追い込まれたりもするらしい。

 過疎化や高齢化により、山との境界線である里山の後退がより一層進み、奇しくも有害駆除の必要性が減るかもしれない。ひいては、狩猟の存在意義が低下するのかもしれん。山と街との境界線が直に接していて猪が街を闊歩する、という神戸みたいな地域が増えていくのかもしれん。だって、デジタル世界で食材は買えば済む生活下で、わざわざカネと時間を使って鉛弾を飛ばす事に意義を見出す人はもっと減って行くだろうしな。

 

 行政が本気で狩猟家、何なら職業としての猟師を増やそうと思っているのなら、お役人の人員投入と税金投入をドバッとすれば実現性は高まるんじゃないか。

 初心者期間は高額な狩猟税と猟友会会費は大幅減免、警察での手数料無し、射撃場使用無料券配布。初心者期間終了後は現行レベル、ベテラン期は高額設定。ベテランでも役員なり指導員なり駆除員は減免。で、有害駆除捕獲の報奨金に国費大幅投入。門戸をまず広げ、安全に腕を磨いた人や公益貢献をする方の経済的負担が減りつつ、そうでない人は淘汰されていく。人が増えれば物品類の価格も下がりより維持しやすい。

 とまぁ、こう簡単には行かんのは承知ながら、現行は何だか逐次投入感があるんだよなぁ。鳥獣による農作物被害が200億円弱。被害者個人の事よりもその金額とのバランスによる現状であり、これが10倍なり100倍なりだと国も本気になるかな。

 はたまた、生活圏集約方針があったりとか、小規模零細自給自足的農家の減少狙いとかあったりして。例えば、平成の現代は少子化云々言われているのだけども、国がなりふり構わず本気で対策しようと思っているのなら出来る類だと思うんだな。景気浮揚とかより余程人為的に出来ると。お父さんは賛成だけどそれをしないのは、国土に応じた人口にする目論見があるのかと勘繰ってしまう。

 鳥獣被害についても何か意図があるのかな。或いは単に調整、又は保身政治の為なのか分からんが中途半端感が否めない。逐次投入の結果、多大な人命と軍備等を失って国家存亡の危機に陥った事、忘れてんのか。

 

 あぁ、ついつい熱くなってしまって話がどんどん逸れていく。ま、兎にも角にも逆風環境でもお父さんは、銃砲所持等に何ら反対するどころか獲らぬ獲物の肉算用をしているお母さんとの生活の下、人生初の変人趣味に高じたいと思います。施主施工には、出来るだけ影響を及ぼさない様に努めます。よって、設置時毎日見回りが必要になる罠猟は、もっと施工が落ち着いてからにします。