家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

設計・施工・伝統構法

グランドピアノ2台分程

設計作業に数人工費やして施工再開。 さて、薪ストーブとその仲間たち。改めて荷重について。ストーブ自体は200kgオーバー。これに目が行ってしまうが、設計時にざっくり計算してみたが仲間たちである炉台や炉壁、薪や関連道具類の総重量具合は馬鹿にならな…

炉台炉壁計画:新建材に新サービスに

知識等の不足故の彷徨い、一体何種類目だろうか。何か無いかと液晶画面の前に座り続け、コーヒーと煙草の消費量がうなぎ登り。そんなある時、下地が木質系でも大丈夫と謳う建材を発見。それは石膏。 石膏なんてそんな軟らかそうな物が床材とは。思いもよらず…

炉台炉壁計画:短寿命な鉄筋コンクリート

捨て板にモルタル、なぁ。 耐水処理を施した合板を捨て板とし、根太にガチガチで留める。モルタルは正常硬化の上、割れや剥離はあまり起こらないか。床だから落ちてくるわけでもないので多少は割れても良しとしよう。が、合板自体が論外。 捨て板は予定通り…

炉台炉壁計画:無垢板にモルタル

何をするにしても段取りやら計画やらが大事だ、と思うようになって幾数年。なのに、計画不足の手戻り仕事。繰り返さない為にも炉台炉壁各部の納まり等も考えておく事にする。 それにしても、今まで解体やら穴掘りやらしてからの設計作業。脳内スイッチの切替…

炉台炉壁計画:炉壁仕様を考える

炉壁材はどうするか。炉台と同時に煉瓦を検討していたものの炉台と同様の理由で却下。御影石についても意匠や重量、それに価格面で躊躇いがあった。しかし、壁だけに床とは違う不安を抱く。 それは施工方法。 石板を壁に施工する場合、大きく分けて乾式と湿…

炉台炉壁計画:薪ストーブに敷瓦

御影石に固執せず他の石、しかも国産石はどうよ。中共に限らず外国に流れるよりも、国内にお金が流れる方が良い。と調べてみるも如何せん好みの物が見つからない。そして、如何せんお高い。理想と現実の狭間で大いに停滞。 ここで以前に行った屋根の勉強効果…

炉台炉壁計画:選択肢の多さは幸福に繋がらない

炉台レベルを自由に変えられるとなると、炉台床材も自由になってくる。 お父さんが思うにキッチン台で無難かつ最強はステンレス、浴室だとユニットバス、そして炉台炉壁だと煉瓦だ。施工難易度が低そう。割れたりしても交換容易。何なら少々割れたままでも気…

炉台炉壁計画:お上品な段差

幸先が全く明るくならない。断念、根太及び問題の既存根太兼大引材含め、床組を下げる事に決す。これで一気に思考の選択肢が拡がる。 床断面図を考えながらふと思ったのだが、何故にリビング床と炉台を同レベルに「しなければいけない」のだろう。先述通りに…

炉台炉壁計画:大引構造帯

炉台床厚を増やす。この回避方法は無いものか。 床厚を増やす=根太を下げると何かと方法はあるだろうが、これは最終手段。と言うのも、炉台の東西方向中央に太い材が入っていて、これが根太兼大引なのだ。しかも、釘打ちで止められているのではなく、周囲の…

炉台炉壁計画:図面不足

吊柱化施工の次は何をするか。大きな薪ストーブ本体が現場の中心で鎮座している。これを移動させた方が何かと他作業がしやすくなるだろう。吊柱化施工途中で仏間辺りの床は解体した。このまま薪ストーブの炉台と炉壁施工に突入だ。 さぁ、床解体により露わに…

単独施主施工の不安

地獄挟み吊束により吊柱は重力方向には支持された、はず。次。横方向に対する支持の為の施工を行う。 小壁方向には、小壁や下端見切りの木材が入っている。この方向は良いとして、対応するのは今まで傾斜土壁があった方向。ここに梁材を入れる事とする。地震…

「二本両端逆地獄ホゾ挟み吊束」

作業中断から凡そ二人工。ようやく解を出す。名付けて「二本両端逆地獄ホゾ挟み吊束」方式。略して「地獄挟み吊束」としておこう。 吊柱と曲がり梁にそれぞれに応じた貫通穴を開ける。その穴それぞれに角材を入れる。これを引っ掛かりとして、そこに束材を嵌…

心技一体

そもそも柱を実質抜いてしまうような行為はどうなのか。これは問題無いと断定している。 吊柱化する柱は、二階床丸梁を支持する曲がり梁を支持する位置にある。柱側にホゾ、梁側にホゾ穴を設けて差し込まれていると推測される。この曲がり梁は当該柱を含めて…

お父さんは一応理系だけども・・・

小壁残しの為の柱部分残し。これの何を難しいと言っているのか。 柱の下部を撤去すると、低温炭化を待たずして柱と小壁が落ちてくる。では、柱を吊ればいい。その方法として、在来工法の同義語である短寿命建築物ならば金物で吊る。金物の寿命の前に、家屋そ…

構造柱の部分撤去

もう何が何だか分からないぐらい、色々と同時並行で作業や設計や思考や計画立案を行う。これらが能力的にと言うよりも時間的に出来ないから、と割り切って建売住宅を買った友人がいる。自分の状況を客観的に考察出来ていて賢明な奴だ。住宅という器の事を考…

そうだ、原木買いに行こう。

鉋道の樹海で遭難しかけたが、ようやく光が差して少し見通しを得られた。今度は、木工道の険しい岳山で本格的に遭難。これには参ったお父さん。心機一転。そろそろ原木を買いに行こう。 用途は母屋階段踊り場の束。 お父さん設計の階段案は構造面では壁に接…

「木」+「反る」=「板」

薪ストーブ周辺土壁の解体工事をしていた頃の晩、ふと思い浮かぶ。接ぎ板は大丈夫だろうか、と。 「木」に「反る」と書いて「板」。板は反る。一枚物ではなく接ぎ板と言っても同様のようで、対策を施しておかないといけない。それをすっかり忘れていた。脳内…

「巾木」と「雑巾摺」の違いを学ぶ

鉋掛けを終えた材を刻んでいく。製材の際の挽割りがあまりよろしくなく、不細工な箇所が隠れる位置に配しつつの加工。 取付方法は、雇実込栓留め。この材に取付けるのは、根太3本とフローリング材。フローリング材が入る長い溝と、この材の天端間は結構空い…

傾斜土壁の撤去

土壁部分解体。さて、縦板を抜こうと切断したが、どうも上部の土壁が落ちてきそう。 この土壁、上部途中から傾斜になっている。壁側端となる柱と、上端となる梁が直交せずにずれている。構造上、どうこう問題は無いと思われる。土壁の斜め箇所は今まで天井懐…

床組材は新築時のものか否か

探検さんが帰られる前、床捨て板剥がしにより露わになった床組について疑問を呈される。これは一度遣り換えているのではないか、と。 この家の決済手続き直後、すぐさま束の状態確認を行った。その際、問題無しとして終わっている。この家は70年程経ってもこ…

全面施主施工は一事業

それにしても、個人宅への長尺物や重量物の配送業者と言えばここ、という大手業者二社共に営業所止め条件にされた事がない。今回の配送業者もいつものこの大手企業。そこで営業所へ電話相談。営業所からそちらまでの新たな配送となり起票する事になるので、…

施主単独施工での長尺重量荷物配送

この天板の発注機会を伺っていたが、探検さんご来訪を機にする事に。 お目当ての接ぎ板業者は静岡県の会社。長尺重量物でそもそも運賃が掛かるのに何故こんな遠くか。掲載写真の接ぎ板が、本当に接ぎ板なのかと思うような継ぎ目が一目で分からないような物だ…

キッチン天板発注:材種検討

「猫に小判」「豚に真珠」「馬の耳に念仏」。”単純な”肉体労働を探検さんにしてもらうと、これらと「お父さんに最強の助っ人」が同義語になってしまう。そうはあってはならぬ、と十数日に渡り悩み続けて苦し紛れに出たのは重量物の搬入。お母さんとでは心許…

「付鴨居」のブラックボックス

五本柱が建ったので、このままトイレ出入り口の鴨居を付けてしまう。 トイレの建具は、既存母屋一階の引戸を使う。ただの板張り戸、とかではなく細工が面白いので使わないと勿体ない。なので、出入り口寸法はこの引戸ありき。一方、付鴨居の位置はどうしたも…

柱五本の理由

思い立ってから半月程、ようやく柱材使用の段階に辿り着いた。ミッションは奥玄関のトイレ新壁を設けるために四寸角の柱五本。 元々、床だけで何もなかった空間。さらに上階から加重を支持する為のものではない。なので、既存壁との取り合いと角の三ヶ所に柱…

束石はシンプル?

神話の真偽を知る由が無いので先人に倣う事にして、最初の束石はやり直し。モルタル作りを急遽行う。買っておいたセメントとホームセンター砂。しかし、急遽だけに砂不足。そこらの床下土も投入。それにしても、お父さんは久しぶりのモルタル作り。以前の感…

子孫向け竹木舞掻き補足説明

さてさて、この竹木舞。方法やら掻き方で唯一というものがあるわけではないようだ。お父さんはそれを感じ取れた時点で、この家の既存土壁を解体して真似れば良し、とした。 掻き方の種類等は前述した。本当は細かい内容がもうちょっとある。荒壁と貫の関係に…

柿渋混合古色塗装方式の選定理由

ただ、三代目古色容器も使い勝手以外で問題が無いわけではない。 柿渋販社の説明に、柿渋は密閉容器でもゲル化する旨の記載があった。柿渋原液は、春夏を超えて秋でも液状のまま。しかし、冬になるとどうか。少なくとも、密閉には難がある三代目古色容器内で…

謎多き職人とお母さん

キッチン新設壁の骨組みとなる木材加工にて、鉋の出番が十分あった。 今までもこの時も、解体材を流用。巷の普通の作業員による普通の改修現場なら、これらはお金を掛けて焼却処分されるんだろうなぁ。我が家のこの現場では、ソーテーブルにより建材に再生。…

先祖が行う「後入れホゾ留め」解説

さて、「後入れホゾ留め」の説明をしておこう。これも例のごとく解体を前提にした加工なのだ。 雇ってきた平板はカシ材。これを、敷居材の切り欠いた面からスライドさせて、グイっと柱ホゾ穴部に差し込む。玄翁等で叩き込めない箇所であり、取り外しも出来る…