傾斜土壁の撤去
土壁部分解体。さて、縦板を抜こうと切断したが、どうも上部の土壁が落ちてきそう。
この土壁、上部途中から傾斜になっている。壁側端となる柱と、上端となる梁が直交せずにずれている。構造上、どうこう問題は無いと思われる。土壁の斜め箇所は今まで天井懐内であり、意匠的にもどうこう問題は無かった。お父さんにしても、天井解体により発見した。土壁の吸震役としての務めも果たせられるのかもしれない。
だからと言って、不細工な仕事の感は否めない。当時の棟梁なりがしくじったのじゃないか、と思っている。少なくとも在来工法だと有り得ない。
さぁ、どうしよう。いっその事、全撤去してしまった方が良さそう。けど、そんな安易に取っても良いのか。考えても堂々巡りで埒が明かず。
基本に立ち返ろう。この傾斜箇所、もしかすると貫が入っていないから落ちてきそうなのではないか。貫を支持するはずの柱位置からしても、そう考えて差し支え無さそうな。割愛するが落下しないよう複数の策を講じてみる。しかし、効かない。
こりゃ、傾斜部には貫が入っていないな。そうなると当該土壁を残す必要性が低いな。と全撤去決定、そして実施。案の定、貫は無し。
この傾斜壁の扱い自体にモヤモヤしていた。結果的に全てが納まったので悪くは無いかな。