家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

ドラえもん待ち

 大枚はたいて購入した自動カンナ。仔細は触れないとしたが少し触れる。

 この機械に木材を挿入すると、その材が流れていって削られて出てくる。材を流すのは、材の通り道の上方に付けられた二本のローラーによる。このローラーで材を強く抑えつけ回転、同じく上方にある回転刃で削るという代物。この仕組みには問題がある。反っている板も当然ながら抑えつけ、それにより反りを戻した状態で刃が当たるのだ。よって、出てきた材は反った状態に戻っているときた。反りが直せない。

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 その為には反りが無い基準面をまず作る必要がある。ローラーに抑えつけられても良いように。これを行う機械として手押しカンナという、これまた大きくそれなりの金額になる物が必要になる。何だか納得行かない。車で10分程のスーパーに行く為に車を乗りたいが近くで駐車場が借りられなかった為、バイクで10分程掛けて遠くの駐車場にまずは行かないといけない。それぐらい頓珍漢な気がしてならない。

 何故に両面を削られる仕様無いのか。そう思った人がいたようで、自動カンナと手押しカンナが合体している機械もある。しかし、重量も金額も自動カンナの倍近い。これでポータブル仕様、これで現場に持ち込めますよ、と来たもんだ。100kg超えるのに。それもちょっと考えてはみたが元は取れないわ、移動が困難だわ、竣工後の扱いが大変だわ、で却下。一度に上下両面が削られるのならまだしも。

 アマチュア向けっぽい合体品もあったようだが製造終了。ちゃち過ぎて使い勝手や精度が悪かったのだろうか。100年後には片手で持ち運び可能な両面削り仕様とか出来ているかもしれないが、現代文明では無理そうだな。

 

 仕組みが分かると治具対応が出来そうな気がしてならない。しかし、創意工夫力に敬意を抱いているアマチュア木工家の方々でも、治具対応は少数派のように見える。手押しカンナ単独での有用性があるのかもしれない。お父さんには無い、という事で治具製作。これで手押しカンナ代の数万円とスペースが浮いた。治具でだと手間は少々かかるものの、珍しく費用対効果が高い方で我ながら正解だったと思う。これにより、探検さんにも剥がしてもらった元捨て床材が生き返る。と言っても、釘穴跡もあれば節も多い材だけど。

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 これを接ぐ。初めての接ぎ板作り。初めてのDIY大国製接着剤使用作業。

 噂には聞いていたがクランプを沢山使うので重たい。一度に複数枚を接いだもんだから接ぎ面もズレちゃうし。けど構わない。大きな板になれば良しとしてちょっとした不良は無視。これを一日一枚ペースで接着硬化待ち、クランプの数があまり無いから。これを四枚。

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 捨て床材だけでなくフローリング余剰材からも接ぎ板作成。

 一部、自動カンナでの厚さ設定を失念、削り過ぎて薄くなってしまった。それでも構わず使う。この接ぎ板には反り止めとして吸い付き桟入れ。

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 さらに、桧材からも作成。

 これは上小節の荒材桧。新たに購入した荒材、二枚で12,000円もした。荒材なのでこれでもちょっと安くなっていて、自動カンナの元取りになっていると信じたい。本実加工されているフローリング材と違い、これは雇い実を入れて接ぐ。

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 これら計6枚。捨て床材のカンナ掛け前の水洗い、それに接ぎ板完成後の寸法切りと桟入れを除いて確か2人工は要したように思う。人工代を考慮してしまうと集成材購入よりも割高になるわなぁ。やはり本職による工場設備機械製品には負けるね。

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