キッチン勾配天井:ゴキとの無言の闘い
幼い時は素手で触っていた昆虫類なのに、何故か大人になると躊躇うようになったもののさほど平気。ヘビやトカゲ、クモやムカデ等を素手で触ってはいないし触ろうとも思わないが、昔も今もさほど平気。こんなお父さんだけども、ゴキブリだけは昔も今も苦手だ。
何故だろう。カブトムシやコウロギと見た目は大きくは違わないような気がする。だけど、殺虫剤をかけると飛んで来たり、風呂に入ったら二匹が重なって居たりと、バイ菌やカビの移動媒体という認識だったりと、他の虫等とは違う行動や生態や認識によるものだろうか。
この家に越してから、ゴキにかなり会うようになった。田舎住まいを嫌だ、と言う人の中には、虫を理由に挙げる方がおられる。お父さんの中には無い発想。ゴキにこれほどにも会う、と分かっていてもこの家を選んだとは思うものの、さすがにゲンナリする。
薪集めや薪作りなどの作業でも、ゴキに出会ってしまう。朽ちかけの丸太にもだが、薪棚にも棲みついている。現在、ガレージに未処理のヤマモモや、購入建材を置いているが、ここにもいる。木は住み心地が良いのだろう。
さすがに免疫が付いてきたのか、屋外だと踏みつけられるようには何とかなった。何故か飛ぶゴキに会っていない為かもしれないが、大人になっても人は成長するものだな。しかし、屋内だと出来ない。体液が床やスリッパなどに染みるのでは、と考えてしまうのだ。
さて、改修中の現在、この家は隙間だらけで戸は基本開放。改修前も隙間だらけなのだろう、ゴキが出没していた。改修が始まってその頻度と匹数が激増。特に夜中のキッチンに入る際は周囲を警戒。一時期、必ず居てたりする。平均すると一日一匹は発見していた。ウンザリ。
昔の家の隙間対策はほぼ皆無か、と解体していて思っていた。隙間風、蜂の巣、そしてゴキブリ、昔の施主や施工者は何も思わなかったのだろうか。古代の日本人が「ネズミ返し」という、穀物庫を高床で設けた上で進入させないよう工夫をしていた。その他にもネズミの食害は切実だったのだろうと感じる話は複数あった。食害は生死に関わる。しかし、そうではない事には寛容だったのかいな。
大東亜戦争後生まれのひ弱なお父さんはどれも嫌、特にゴキが嫌なので、隙間は極力塞ぐ方針。これはキッチン勾配天井でも同様。上部の下屋は隙間がある。建物としてそれは良い。若しくはそれが良い。しかし、ゴキの事を考えると住み手には悪い、少なくともお父さんには悪い。侵入経路が分からないが、屋根伝いからも考えられるのではないか。
施工途中で、天井板と梁の丸太との取り合いに隙間が生じる事に気付く。梁を境に水上側はスタートが取り合いからだったので、加工済板を追加加工して対応して修めた。
一方、水下側は最後が梁取り合い箇所。加工済材は寸足らず。見た目は問題無し。隙間埋めには新たな材加工を要す。終わったと思ったのにまだ、となると気持ちが非常に面倒臭がる。
でも、水上側は塞いだ。水下側も塞がないとゴキが進撃してくる。お父さんの叡智と犠牲をもって安寧な領域を築けねば、我が家の未来が無い。
という事で、切って削って塗って貼る。これで天井板工程が本当に完了。