家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

伝統構法家屋塗料の検討

 母屋の工程順序としてはまずは一階から。その一階も、基本的には天井から壁、そして床の順にと目論む。そうなると、施工全体の途中段階で工区(施工箇所)毎の仕上げ工程が発生する。本当は大工や左官、そして塗装と工種毎に進める方が、手間の面だけでなく脳内にとっても楽。ただでさえ、まだ解体段階で脳内は混乱かつ渋滞状態なのに、仕上げ工程の段取りを今からしなければ、と思うとそれなりの負担。と言って、後から塗装の選択肢がないので奮起して検討。

 

 この家での木部の仕上げは、既存に合わせたこげ茶っぽい塗装にする。この塗料は何か。化学的なペンキではない事は明白。どうも、弁柄やら墨やら柿渋やら亜麻仁油やらのよう。

 やらやら不確かな言いぶりなのは、施工者や販売者や学者やらの専門家やプロと言われるような方によって、書いている内容が違っていたりするからだ。またこれだ。在来工法家屋でも思ったが、伝統構法家屋はそれ以上に書かれている内容に差異がある。強いて良い面を言うと、在来工法よりも記載数が少ないという事だろうか。

 高層建築物はまた違うかと思うが、住居規模はいかに経験則で建てられているのか、と改めて思う。平成27年の今、大手や中堅ハウスメーカーはその巨大化してしまった巨体を維持する為、様々な工法や建材等を開発し販売促進材としている。それらが住まい手にどの面でどれほど有益なものか、全てがとは思ってはいないがお父さんは結構怪しんでいる。

 ま、それぐらいいい加減な、良く言えば許容範囲が結構あるのならば、平均的な所を捉える事を検討する。

 

 弁柄とは、酸化鉄を原料にした顔料だそう。これによって、木部の耐久性が上がったり防腐効果を得られるそうだ。他の耐性も色々あるような古来からある優れものらしい。

 墨は、正確には松煙墨というものを使うそうで。松の煙の墨なのだから、松脂成分が多分ある墨かと想像。という事は耐水性を得られそう。墨だけに、防腐効果もあるかいな。書道の墨とは違うのかな。

 柿渋とは、渋柿を発酵させて作られる塗料。これまた、耐水性や防腐効果を得られるそうだ。虫への忌避効果もあるような文章も見たような記憶がある。対シロアリ塗料という位置づけもあるのかも。それに、乾くと固まる。実際にやってみたが、カチカチになっていた。その他、抗菌や殺菌をうたう内容がネットやテレビであったように記憶している。これは間違いだとお父さんは思っている。これについては後日書くとしよう。

 亜麻仁油は、亜麻という植物の種子から採れる油だそう。この油は乾性油で、何年、何十年かけて酸素との化学反応により固まるらしい。

 

 さぁ、完全な自然物の塗料相手。これほど優れた塗料らしいものの、昨今の在来工法家屋では基本的に使われていない。建材としては廃れたものの一つだろう。巷の在来工法家屋には使う所が無さそうなので、廃れた理由がそれなら問題ナシ。本職が扱いにくい塗料が故ならば問題アリ。どちらにしても悩む日々の始まりだ。

 

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