家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

2階用足場ステージの設置工事

 2階の荒壁土を搬出するにあたって、対応してみた。

 荒壁土プールへの動線上、
2階窓から下屋に出て行う事が一番楽そうだ、と考えた。下屋下に置いておいた一輪車に、ロープとバケツを使って降ろして、ロープ操作でバケツをひっくり返して投入する。これ自体は難しくない。しかし、如何せん足場が悪い。多少、体を軒先からのけ反り出すので不安定。しかも、瓦の上を度々歩く事で割ってしまいかねない。
 という事で、単純に屋内の階段を使って1階に下りて、玄関前の一輪車に投入していく方法。安全確実だ。しかし、動線が非常に長い。階段は北西の一番端にあり、玄関は南側。この距離が意外に苦痛。さらには、土を満載したバケツを持って、まだ居住中の室内を土埃の作業服を着たまま何回も通る。よろしくない。

 工程変更。以前から考えていた足場ステージをまずは造る事にした。
2階への資材搬入の際、単独作業でも出来る様に構想していたものだ。この段階で造っておくと、雨ざらし期間が長くなってしまうものの、荒壁土や解体物の搬出にも使える。

 昔ながらの足場は、木材同士で組んだ接点を番線にて緊結する。番線を締める事で木材に食い込ませるので、強度と安定性はバッチリ。しかし、足場の柱になるような長い木材は無し。昔ながらの家や小屋横には、このような木材が結構置かれている。田舎に行けば行くほど見かけるような気がする。メンテナンスなどの為の足場材として自己保有されているのだろうか。ご多分に漏れず、お隣さんにも適材が置かれたままだ。
 しかし、本改修工事で借り受けてもかなりの長期間になってしまう。使用に制約を受けてしまうかもしれないし気が引ける。そして、わざわざ買ってもその後の用途は薪にするしか思いつかない。

 なので、番線が食い込まず滑り易いにも関わらず、単管パイプを選択。これだと、足場解体後に薪関連への用途転用が可能なのだ。単一用途ではそう簡単にカネは出さない事は健在。ただ、番線は食い込んでくれないのでこれは足場の造り方で工夫する。ステージとなる板材を番線だけに頼らないで、単管パイプやその役物で足場上方から吊下げるような格好にもするのだ。

 お母さんに手伝ってもらいながら、まずは地面で寝かしながらパーツを作っていく。竹製薪棚と同じ要領。出来たら起こし上げて組んでいく。およそ1人工だったかな。

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 2階窓から足場ステージには、解体済物置小屋の戸板を渡り板として設置。これで瓦の踏み割れを防ぐのだ。
 塩ビパイプの用途は、ここに荒壁土を流して一輪車に注ぎ込む事。注ぎ口を作ってまずまずうまくはいったが、下の一輪車から砂埃が周囲に大きく舞ってしまった。さすがにご近所迷惑になりそうなので失敗、使用中止。ロープとバケツ使用に戻す。

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 購入品は、単管パイプやそのジョイント部材、塩ビパイプに番線でおよそ1万円
。その他の木材、足場へ上がる為のハシゴはこの家からの物を流用。この完成によって、荒土降ろしはかなり省力かつ安全に行えるようになった。2階解体材の卸しも同様だ。単管パイプ類や塩ビパイプには他用途がある事もあり、完全消耗品は番線程度。十分に元は取れたと思う。

 

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 ウィンチも購入設置。これは、北側薪置場の薪を引き上げる事が主目的の機械。これを事前購入して足場への重量物や長尺物の荷揚げ荷卸し用にも使う。
 これは
62千円弱。重量物や長尺物等の荷卸しに役立ったが、さすがに現時点では元までは取れていない。これからの荷揚げや本来の目的の薪の荷揚げで、骨の髄まで元を取るので良しとする。