家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

この家の寒さ対策について

古いからこそ手に入った伝統構法のこの家。古い家特有の話としてか、「寒いでしょ!?」と聞かれる。お母さんに至っては、これをネタにしているかと思うぐらいに、他人様にこの家の話をする時の率先的必須内容になっている。

 これは伝統構法だからか? これは是でもあり否でもある、とお父さんは考えている。


 最大の是は、土壁だ。

 「保温性、断熱性がある」と好意的に見ている人もいるようだが、それは違うんじゃないかと思う。土壁の中に空気が含まれているだろうから、断熱材的要素があるとは思う。しかしそれ以上に、土の蓄熱性が大きいと思っている。

 蓄熱性は、何も人間が暖かいと感じる熱を蓄えるだけでない。人間が冷たいと感じる熱量も蓄える。保温ではなく蓄熱だ。

夏は、長い庇のおかげで土壁への直射日光照射があまり当たらず、その為もあってか暑がりのエアコン大好きなお父さんがエアコンを必要としなかった。驚きだ。一方、冬は寒さ=低い熱エネルギーを蓄えている。壁に手を当てればよく分かる。蓄熱性があるものは、なかなか温まらない。


 最大の否は、隙間風だ。

 確かに、冬の寒さに強く影響していると思われるのは隙間風だ。しかし、これは伝統構法だからというわけでなく、建築当時にサッシのような隙間風を防ぐ建具の仕様が無かっただけ、と想像している。在来工法でもサッシ構造ではない昔の建具を入れていると、いくら断熱材を施していても寒いんじゃないかな。


 土壁は伝統構法で必須な要素。これをどうにかする事は微塵も考えない。土壁にさらに断熱材を設けるならば、大壁仕様にしないといけないと思われるがそれはあり得ない。薪ストーブは上手に使えばかなり暖かい、という言を盲目的に信用してみて壁断熱は放棄。ただ、風は止めないとどうしようもない。という事で、改修プランで寒さ対策必須項目は「ペアガラスサッシの導入」に絞る。

 と言って、アルミ製はいただけない。そういう工事をしている古い家屋は見た事あるが、お父さんの美的感性ではイマイチだ。アルミに結露して木部に水が廻る、なども避けたい。アルミ製以外のサッシもある。けど、中途半端感を何故か抱く。

アルミ製などの安さは魅力的だが、壁断熱には手を付けないので窓には力をそそぐ。という事で高価な木製で検討する事にした。