家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

実物の職人さん

やって来てくれた方は、いかにも「左官職人」さん。風体もそう、名刺もそう、持ってきてくれた木製道具箱もそう。おじいちゃん建築士曰く、演出だそう。面白いなぁ。

 現在の日本の住宅建設業界事情。土壁はおろか、左官仕事がどんどん排除、限定されてしまっている。これはお父さんでも知っている。この状態について、その左官職人さんは「自分達で首を絞めている」と評されていたとおじいちゃん建築士から聞いていた。お父さんの素人持論と同じだ。自戒を込めておられつつ、一職人としての責務も抱いておられるのではなかろうか。

 そのような熱い想いをお持ちの方であっても、施主であるお父さんに対して押し付けるような姿勢は微塵も感じさせない。あくまで施主を立ててくれる。どこぞの逃亡社長とは大違い。左官工事の全項目を一応渡して、見積をお願いした。ちゃんと提出期限を明示された上、ちゃんとそれを守ってくれた。どこぞの若き一人親方とは大違い。

 ブログやサイトなどで良い格好している業者や施工者は結構見掛ける。でも、よくよく読むと、不良施工をそうとは思わず嬉々として誇って居たりして、不勉強さや未熟さを露呈しているのが結構いる。その篩から落ちなかった方で実際に会って話してみると、誇大広告、看板に偽りあり、というのがそこそこな確率。大半は、すごく遠いなど条件が最初から合わない。

そんなこんなで、お父さんにとって真のプロ、職人さんと思しき方はネット上だけの存在。しかし、仕事振りは未知数なものの、ようやく出会えたかもしれない。

 ただ、若き一人親方チームの左官屋さんと比較すると単価は高い。実際に施工されるのは、来てくれた左官職人さんではなくお弟子さんなど若手の方かもしれず、手が遅いのかも。あるいは、左官「職人」だけに、手は早くても人工代自体が高いのかもしれない。

しかし、お父さんは構わん。予算上、最低施工範囲しか頼めない。あまり仕事を提供できないので、その分単価が高めでも予算吸収できそうだ。それに、こちらの熱いエールに応えてくれる熱い職人さんに頼まずして、誰に頼めると言うのだ。お父さんもこういう職人さんには少しだけながら応えたいと思う。