家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

建材:塗料

綺麗な漆床で死にたい

では、塗料としての「性能・性質」面はどうなのか。 一番比較しやすいのはウレタンと思う。ウレタン仕上げの床板材は前住居で体験済だ。無垢材床板の保護を最大動機として、前住居での前施主施工時に採用した。 この比較で問題になるのは、触感、肌触りかと…

床板漆施工への投資意義

信州現場からお土産を頂く。古民家先輩が塗った漆板の端材だ。お母さんにこれを見せると、お父さんと同じような「ふぅ~ん」というような反応。彼の好意と投じた時間費用は残念ながら効果薄。この時点で「見た目」要素は完全に無くなる。 彼の施工床以上の見…

不埒な助っ人

古民家先輩からの漆教入信勧誘から数日、漆の事が頭から離れない。仕事をしていようが、施工をしていようが、食事をしていようが。よく分からない物を頭の中だけで考えても、大した答えなど出ない。だけど夢にまで出来きた。 この時点でこりゃ駄目だと彼に連…

昔はブイブイ言わせていた

さて、彼とのこの事と、漆提案の無碍な却下が出来なかった事と何が関係するのか。 理解されないだろうが、お父さんは感情移入していたのだ。 彼は自分の矛盾等を承知していた。それを開き直っているのなら馬鹿者に過ぎないが、葛藤や苦悩をしてきただろうし…

理想と現実との衝突

それほど腰が引けているのなら断ればいいじゃないか、と思うだろう。誤解しないで欲しい、断ろうと思えば断る事が出来る男だぞ、お父さんは。ただ、説き伏せる術と姿勢が弱かったんだなぁ。 何度か書いたユニットバス施主施工というものは、彼に勧めた事があ…

「漆教」勧誘

キッチン天板の漆施工について話を進める前に、床板仕上げ材についても触れておかないといけないなぁ。文量が多くなるわ。大人のたしなみ、そして親として書きにくいわ。そんな迷いがあるものの、この手記の性格上から、そして今までの内容からしてもこの件…

漆の需給と国防

さて、漆とは何ぞや。以前にキッチン天板選定時の内容で触れた以外で、お父さんなりに学んだ事をかいつまんで書いてみよう。 漆の用途と言えば食器や盆等の台所にありそうな用品や、木製小物や家具等の工芸品塗料として思い浮かぶのではないか。以前に書いた…

ミーハーを踏まえた差別化

では、天板は木地で行くとしても漆でなくともええんじゃないか、とは思わなかったか。はい、あまり思いませんでした。 漆に匹敵する塗膜材となるとウレタンがあるようだ。漆について調べている過程で、ある木工家の方のブログに行き着いた。その木工家の方は…

漆 vs ホーロー

さぁ、いよいよキッチン天板へ漆塗りを行うのだ。本構想準備期間は一年強。施工なんかの行動や結果もだが、そこに行きついた計画等も大事と考えるお父さんにとって、その期間に触れない訳にはいかない。 何故、キッチン天板に漆を使う事にしたのか。それは以…

古色塗料変更

柿渋とは、昔は比較的安価な塗料だったらしい。渋柿があれば良いので自宅庭先で造られていたりもする。それら入手の容易さから、昔から高級塗料である漆や油の代替、又は漆の下地塗料として使われてきた。 そう、油は今もだけど昔も高かった。いや、今よりも…

古色塗料再考

それにしても、古色等の木部塗装材については意外に手間取られてしまっている。じっくり考えてみた。 古色塗料を弁柄に松煙墨だけでなく柿渋も同時混入して作ったのは、柿渋後塗り方式よりも手を抜く為だ。そうすると、マット感が尋常じゃない。柿渋後塗り方…

煮亜麻仁油作り

まずは、本当に古色は漆喰へ滲むのか。目線が行かない高所にて実験。数日後に確認、滲んでいない。 どう考えるか。滲んだという方は、古色の乾燥を待たずに漆喰塗りするようなぐうたらな方ではなさそう。じゃぁ何だ。確か古色を完成品として購入されていたよ…

水と柿渋と弁柄と油の事

埋め木作業が終わった事で、新たに買った柿渋で古色を作って塗装作業。古色だけだとマット感があるので、キッチン勾配天井と同じく亜麻仁油塗り重ね。既存部との差異が出るので、既存部にも亜麻仁油塗布。 さて、この亜麻仁油塗布。マット感を抑えるという見…

「要観察」

「要観察」。この言葉が使われるのは、原木の天然乾燥にだけではない。自然素材を主建材として使うだけに、本施工においては他にも幾つかある。その一つが柿渋原液。 柿渋は固まる。空気に触れる事で固まる。乾燥による含水率低下に依るものか、空気中の成分…

亜麻仁油登場

諸々の作業と並行して、お母さんにはキッチン新設壁木部への古色塗りを行ってもらう。この周囲の、特に足元の木部は、強めの北風により雨が当たる事が多い。直射日光が無い為か木痩せはあまり無いけども、既存古色が薄くなっている。新設木部だけでなく既存…

キッチン天板発注:先輩のお土産続編

天板材種が決まった後に訪れた長野の古民家先輩の現場。思わぬお土産話を幾つか貰ったが、現時点で良くも悪くも結果的に強烈になっているのは「漆」を建材として使うお話。先輩は断念されたのだが、一部かの床板に使用する事を検討されたらしい。漆と言えば…

柿渋混合古色塗装方式の選定理由

ただ、三代目古色容器も使い勝手以外で問題が無いわけではない。 柿渋販社の説明に、柿渋は密閉容器でもゲル化する旨の記載があった。柿渋原液は、春夏を超えて秋でも液状のまま。しかし、冬になるとどうか。少なくとも、密閉には難がある三代目古色容器内で…

曲者の柿渋原液容器

三代目古色容器を見て、もしかして「柿渋を都度都度混ぜれば簡単なんじゃない?」と思うだろうか。説明していなかったのでそう思って不思議はない。これが簡単ではない、というか面倒なのだ。容器蓋の開け閉め以上に。 お父さんが発注した柿渋は結構量があり…

「三代目古色容器」製作

キッチン新設壁施工の最中に、作り置き古色が無くなった。これにより施工は中断、三代目古色容器の製作に急遽着手。 二代目の果実酒ガラス瓶では白カビが発生する。白カビが乗っている膜は柿渋が固形化したもの。白カビを除去する過程で柿渋も除去され、また…

柿渋は カビが生えるし ゲル化する

古色、柿渋と顔料と墨の混ぜ物。この塗布を一度に行うのであれば何ら問題ない。だけども、木工事をする度に、一つの木を加工し取付る度に塗布作業が発生する事が多い。なので、使い勝手を良くしたいと思う次第。 ペットボトルを容器にすると、容器が着色され…