家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

石膏板と漆板

 第一期と言うか、第一工区と言うか、母屋1階西側の上下水管施工は浄化槽接続を残して終了。これで心置きなく壁施工をするぞい。という事で石膏ボードを段取り。

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 この施工では取り立てて書く事は無い。石膏ボードは気楽なもんだ。下手をこいてもそこらで数百円にて新しい物を買いに行けばいい。そんな豪勢な事を書いた割に実際は、如何に少量かつ効率的に使えるか考えたけど。

 ビスピッチは150~200辺り。高所作業になる面が数面ある事や、長手方向寸法がボードよりも長い壁に胴縁を追加したりとかの附随作業もあったりで、そこそこ時間を要して5人工弱だったかな。

 

 他に附随作業と言うと、例えば今まで度々行った鴨居の溝を埋め木する事とか。

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 新たに入った石膏ボードと既存との取り合いにて、納まりがおかしい所に廻縁のような部材を鉋掛けの上、古色仕上で入れたりとか。

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 そして、雑巾摺を入れたりとか。当材は壁下部の見切り材でもある。これを入れないと壁が塗れない。

 さてそこで、かなり面倒な、いや、大変そうな作業がある。奥玄関廻りの廊下床貼りである。ここの西側はLDK等への上框、南側は玄関との間仕切建具の敷居、東側は奥玄関上框、そして北側はトイレ壁。これ、床レベルだと四方が囲まれている、という事。四方が囲まれている事自体は普通。四角い部屋に床を張るなんて当たり前の如し。

 サラッと読んだらそう思う。恐らく通常、嵌め込む板の施工の場合、まずは板を嵌め込んで行って、その後に巾木なり雑巾摺が板の上に取付られる。何ら特段問題無い話。

 

 だが、しっかり読んでいたら分かったかもしれない。何が大変って、北側を除く三方材の下に床板を嵌め込まないといけない事。施工順が逆、と理解してよろし。おまけとして、北側柱に新たに溝を設けてそこへも嵌め込む箇所もある。これは、少なくともお父さんにとっては非常に難儀。未知への恐怖感がずっと漂っている。

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 当該箇所は張り付け開始の一枚目、西側の上框の下に板を差し込む。さらに、南側の敷居の下にも差し込む。さらにさらに、北側の柱に切り欠いた溝へも一部差し込む。これは問題無い、東側はがら空きだから。

 しかし、最後の方になると、西側の板、南側の敷居、そして東側に奥玄関上框に囲まれる。二方だけなら問題無い。三方は厳しい。こうなると、北側の雑巾摺は先行取付は出来ない。やってしまうと床板張施工は不可能になる。

 

 そんなややこしい所にて、初の漆仕上げの厚杉床板の施工だ。まだまだガッツリ施工中なのに、折角の漆板を張るのはとても嫌。でも、春の左官祭りの為にはそんな事言ってられない。各施工が進むのは喜ばしいのだけど、懸案施工が迫って来ると思うと手が遅くなってしまうんだなぁ。今までも度々あったが、石膏ボード施工もその影響がある。人工が掛かったのは附随作業の為だけではないと思う。

 結局何を言おうが思おうが、やらないと竣工しないのでやるんだけど。