家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

左官先生との出会い

 そして、手に入る。あれやこれや検索していたら見つかったのだ。しかも、左官職でも無いのに買えるとの事。これは非常に有難い。お父さん如きでは宝の持ち腐れになる物かもしれないが、そうなったとしてそれでも構わん。として購入したのだ。それが、本手記に添付予定のDVDだ。

 講師は添付DVD説明文にあるように、おばあちゃんと同世代の方だ。左官歴は半世紀を超え、国宝の寺社仏閣も手掛けられるような御仁。お父さんの本職技量分類である、「職人」の中でも最上位の方だろうな。「超熟練職人」と称させて頂こうか。いや、臆がましいが「先生」にさせて頂いちゃおう。

 

 ここに至る迄、凄く長い道のりに思える。関係各位への感謝の念を抱かずにはおれない。

 内容は目から鱗が落ちる事ばかり。今まで省略してきた様々な大小の疑問等々含め、ほぼ全て解決してしまった。数少ない未解決は、例えば煮出した糊と粉末糊との粘度の違い。だたこれは、自然物であるが故に同じ物でも個別差があったり、製造業者によっても違ったりするようなので唯一解は無いと思われる。という事で、現時点では全て解決と言って良いだろう。

 

 いや、一つ大きな問題がある。このDVDが一体いつまで保つのかだ。

 聞く所によると、保管環境等では十年かそこらだったりするそうだ。そして、当然ながら複製が出来ない。将来に渡って購入出来るのなら良いがそうでない場合、かつ二人や子孫が漆喰施工する場合、さてどうしたもんか。今後のお父さんの宿題。

 

 ここで、目から鱗の一つの配合割合について触れると、購入漆喰品は新建材下地壁用の配合だという予想は間違いなかったと確信。購入の同梱スサ量と先生のスサ量も、やはり何十倍の差がある。

 先に少し触れた、スサは異物であり漆喰を嵩増ししているに過ぎない、という旨を主張する素人向漆喰の販売業者の事を書いた。確かに、本式施工においての漆喰と比べて申し訳なさ程度にしか入っていないスサならば、入っていなくてもよい無駄な物。そういう見方なら成り立つのかもしれないな。