家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

連敗続き

 キッチン架台の組立。ただただ組立。架台は三台に分けて組立てた。

 理由を書いておくと、一人では持てないから。そして、二人でも持てないから。持ち運ぶ前提で設計製作していない。両端を二人で持つと、力持ちであっても壊れるように作られている。三台分割なら一人で問題無く運べる。また、キッチン予定地には大きなキッチン天板が宙に浮いている。その下に入れるのも大変だから。それと架台箇所の床板は凸凹。一体でよりも分割での高さ調整の方がしやすいかと考えた。

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 そして最大の理由が、キッチンの現場寸法に合わせて完成させたいからだ。

 完成品を入れてもどうせミリ単位で合わない事になるはず。キッチン台について設計時からの懸念があった。それは、三辺に壁がある事。一辺だけだと楽勝、二辺でも何とかなる。しかし、三辺となると逃げようが無い。キッチン台が長い過ぎるとどこかの壁を後退、短過ぎると壁を前進させるか詰め物を要す。まぁ、大変。そうならない為に現寸ピッタリにキッチン台を作る。やっぱり、まぁ、大変。

 お父さんなりに逃げを想定した設計と工程を段取りしているものの、逃げは多い方が助かる。という事で架台は多方面で調整しながらの現地組立とした。

 

 この三架台を一体的に繋ぐ材の一つに「幕板材」がある。板と言っても角材だけども。無垢板での繊維方向の反りは数値上、たかだか知れているらしい。知れているらしいが、反るらしい。それに対応するのがこの材だがこれはまた後述。

 

 この角材加工の思い出話。カンナ掛けが失敗していた。

 反り止め材という事と水に近くなりそうだからと桧を選定。これも表から見える化粧材なので上小節を発注。しかし、この程度だと材が取り易いのかほぼ無節材を入れてくれた。自動カンナであっても節はよろしくない。これはほぼ無いので気を良く自動カンナ掛けを行っていた。

  しかし、まさか逆目に負けるとは想像もせず。節が無い箇所ながら木目が歪な所があり、順目と逆目が入り混じる。材が一方向に流れていく自動カンナでずっと薄削りをしていてのこれ。逆目対応なんてどうすりゃいいんだ。節だらけの捨て床削りで刃が悪くなってしまったのだろうか。

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 でも、お父さんは負けない。この高級材をこのままにして使わない。この幕板材はコンロ箇所を切り欠くのだ。ああだこうだの思考の末、逆目向け箇所を切り欠き箇所に持って行く算段が付き解決。

 その数日後の幕板加工にてこの事を忘れてやってしまう。打つ手無しでこのまま使う事になる。思い通りの施工があまり出来ていない事と暑さが続いていた所で、折角打開策を思い付いていたのに失念。これはさすがにこたえた。見た目がちょっと悪くなったから、では無い。