家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

床板等級大混乱

 特一等材の思惑外れ。荷揚げ後の母屋二階にて、節の多い材を見て流石に立ち尽くすお父さんとお母さん。どうしたもんか考えるも解は出そうに無い。荷揚げ時に見た限り、節具合にはかなりバラつきがあった。現状把握して選り分けてみようか。

 

 重量は10kg強程度と言えども長さは4m。一階程ではなくとも柱もあったりして振り回し難さは多少ある。そして何より数が多い。初回荷揚げ分は70枚強。並べて置いていくわけにはいかない。という事で山積み材を一枚一枚崩し見て、節の多少や大小等で振り分けてみる。

 これ、やってみると訳が分からなくなる。ある程度崩していくと、どんどん悩んで来る。基準が無いのだ。当初は良しとしていた感じが、もっと良い感じの材があると格落ち。その材を探す為には選り分けた山から探さないといけない。逆も然り、悪しとしていた材があまりに多く、その中でもマシな材を格上げしようと思っても山積みの下の方。そもそも、何を持ってして良しで悪しか。良しは何枚必要か、悪しには何枚回せるのか。さらには、後日入荷の50枚程の品を見ないといけないのではないか。

 初回荷揚げ当日、そんな徒労をして終了。後日の二回目荷揚げ当日、さらに山が大きくなって混乱。後日、お父さんが一人で選り分け。やはり混乱。そんなこんなで、徒労に終わる選り分け風な作業で二人工は費やしてしまった。

 

 やってられるかい。もう少し頭を使ってみよう。

 一番の良材は上小節や小節級。これをどこで使うか。リビングと奥玄関だ。人の目に付きやすそうな所だ。二番目、小節級はダイニングだな。テーブルがそれなりに占めるはずで床に目が届きにくいだろう。三番目、小節級でも節が多いのはキッチンだ。人の目がますます届きにくい。だけども、そこそこの大きさの節とゴキを見間違えるのは嫌だ。四番目、正に特一等はトイレや洗面室だ。プライベートな所なので許容しよう。五番目、特一等にしても節が酷いものや割れやら加工不良がある板は、その他の何処かで使おう。

 

 これで少しは脳内整理が付いて選り分け作業を再開。すると、あまりに求める材が少ない事を確認した作業となる。また、4m材の端に大きな節があったりする。その節を切り避けられると不足している一番材が出来る。しかし、切っても材長さは足りるのか。

 あ、マズい。マズい、マズい。そんな事をしていると割付図の作成が要る事に気付いてしまった。漆を塗るだけの床板作業だけのつもりだったのに、気付かないようにしていたのに。床貼施工の計画立案か、漆塗布期に間に合うのか、これ。