家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

過信禁物

 柱を立てる段取り開始。まずは墨打ち。ここで悩んだのは基準となる所がない事。

 現代の建築と現場しか知らないお父さんにとって、この家は悩ましい。在来工法と伝統構法の違いだけでない。3D-CADによる作図を行うに至った理由で述べた通り、基準線が見当たらない。この家の平面は、厳密には矩形ではない。

 

 さて、どこを基準にすれば一番良く納まるか。中央南北土壁の廊下になる箇所の、両脇に立つ柱面と判断した。一番視線が通るこの箇所の柱面を、真っすぐする。これによるその他のズレは、いくらでも吸収出来るだろう。この考えの下、墨打ち実施。

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 この墨打ちで新柱位置決定。詳細は割愛するが、高度な採寸と計算の華麗な技術で梁にも墨打ち。

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 次は、当該箇所の梁上げ。梁上げを目論んだのは、既存柱撤去により少しでも梁が下がらないか、と懸念があった為。ただ、施工箇所が少ない上にこの懸念の為だけに、油圧ジャッキなどを新たに買いたくない。

 という事で車のジャッキを用いる事にした。1㎜か2㎜程上がれば十分。さすがに上がらないかもしれないが、それはそれで仕方がない。その時は、油圧ジャッキを検討してみよう、と。

 

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 やってみた。角鉄パイプを差し込んでジャッキのボルトを回していく。回っていく。思いの外回っていく。しかし、梁が上がっている様子もなく、つっかえ棒にしている柱にも変化が見られず。おかしい。

 恐る恐るジャッキを見てみると、曲がっている。外してパンタグラフを降ろそうとしても降りない。壊れてるし。予想出来なかった。上がらなくなった所でボルトが止まると思っていたのだ。

 

 このジャッキ、新車の軽トラ車載品。ディーラーに純正ジャッキ価格を尋ねると、五千円程度もする。しくじった。最初から油圧ジャッキを買えば良かった。純正購入は悔しいので社外品ジャッキを購入。新たに油圧ジャッキを買うのも悔しいので梁上げは止め。ちょっとぐらい梁が下がったって構わんさ。

 

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