家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

瓦屋根補修工事の見積額

お父さんは、瓦屋根の改修予算は100万円程度しか見ていない。他県業者氏のサイトでも、門屋に近い切妻屋根の参考価格を掲載していた。それが100万円ちょっと。雨漏りしている母屋の下屋は補修程度、不具合が多い門屋屋根は全葺き替えを目論んだ。さすがに予算はオーバーするかもしれないが100万円台かな、と思っていた。

 が、土葺きによる門屋全葺替えだけで
300万円弱。雨漏り発生中の母屋北側下屋だけの葺替えでも130万円。愕然。空葺にしてもちょっと安くなるだけ。これ以外に母屋下屋全面、井戸小屋も見てもらったがもちろん論外。うむ~、あまりにもあまり…

これらは単独工事前提であり、複数箇所一式工事になると価格が変わるとの事。高いと言うなら相見積でも取ってみて頂戴、とも。では一式ならいくらか、と聞いても何故か教えてくれない。それなら見積比較できないじゃないかよ。金額の事を言われると良い仕事は出来ない、とも言われた。施工者側にいたお父さんとしては、そんな事は百も承知。金額に拘るなと言うなら、赤字を出さない程度の安い受注額で良い仕事をして頂戴。出来ないんでしょ。金額に拘ってるのはお互い様じゃないかよ。それが正常だ。自分だけいい格好するなよ。

 と文句を言いたかったが、安くは決してないが高過ぎるとも言い難い。高いには高いと思うが。見積書書式も分かりやすい方だと思う。

それにしても、仮に拘って銅製樋、防水材は無垢材、野地板やり替え、不具合破風板のやり替え、それに母屋大屋根の全改修となると確実に1千万円を超えると思われる。塩ビ樋、防水材はアスファルトルーフィング、空葺など極力安価に済ませようとしても、大台に近いかやはり超える程度になるかもしれない。

 土葺推奨を特にしていない近隣業者もやって来てくれた。推奨はしていないだけで、またその仕事振りは不明なものの、土葺は出来るとの事。

他県業者氏は施工者であり瓦製造業者でもあったが、こちらは直接職人を抱えていなかったように記憶している。屋根建材を卸していたり、営業色が強いそうだ。その分、昔ながらの瓦以外の提案も受ける。また、施工内容についても良く言えば柔軟、悪く言えば強い拘りはなさそう。

と言って、近隣業者氏は施工を知っているフシの方だった。そして営業でもある。久しぶりに営業の方と接すると、楽さを感じてしまった。先述通り、柔軟であり物腰も違うのだ。この分が経費に乗ってくるのだなと改めて思う。

 いくつかのパターンで施工箇所別見積を作成してくれた。なかなか厚いもの。お父さんなりに吟味。他県業者のものよりも若干安い程度。ま、劇的に違う方が怖いけども。施工専業ではない近隣業者と近い見積額からして、やはり他県業者氏は安くはないのかも。安さを売りにしているわけではないのでそれは構わないが。

 いずれにしろ二社の見積額は、改修予算を根本的に考え直すか否かを迫るものだった。母屋下屋雨漏り部と門屋全部でおよそ
400万円。既存材の撤去や防水紙施工については、施主施工を行う案を出してみた。それでも数十万円の変動でオーバーなのは変わらない。改修予算とは別の金はある。出すのか、出さないのかだ。