家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施主設計:ガス機器メーカーvsお母さん

 大きくなった二人ならば気が付いているかと思うが、お母さんのポンコツ具合はなかなかヒドイ。
 芸能人がテレビで、自分の家族のポンコツ具合を話している。マンガやアニメなどでもよくあるキャラクター設定。それで笑いなどを提供でき、お金を得られる。お父さんがシンガーソングライターなり、物書きなりならば、飯のタネに出来たかもしれない。
 しかし、他人の笑い話ではなく現実に自分の家庭で日々起こると、笑えない。お金を得るなどの慰めや精神的解消は起こらないので、笑えない。むしろ、お金や時間が消えたりする事が多く、もっと笑えない。笑えないポンコツ具合に、ただただ耐えるには厳しいものがある。家づくり以上の悩み事だ。

 このお母さんのポンコツ具合の中でも、笑えない筆頭事案で堪忍出来ないものは「火の不始末」だ。


 家さがしをしている頃、幾つかあったプロパンガス物件。「プロパンは都市ガスより高いが、熱量換算すればそれほどではない」という文言を、インターネット上でよく目にする。そんな理屈はどうでもよい。仮に単価2倍で熱量2倍だとすると、湯を沸かすガス量が半分となるなら良しだ。しかし、どこにもそのような事は書かれていない。プロパンガス屋でもだ。プロパンガス機器を展示販売していた生身の人間に問うても、的を得た回答は全く得られない。という事はプロパンガスの方が割高に違いない、という結論に至っていた。


 で、実際に使ってみると明らかに火の通りが早いじゃないか。同じような火の大きさでもだ。都市ガス歴
30年以上のお父さんの感覚だと、プロパンの熱量がかなり高い事は明白だ。しかし、単価違いに相当する分の早さかは分からない。都市ガス時は給湯も都市ガス、この家では灯油。なので、ガス代だけの単純比較が出来ない。都市ガスデーターを取っておけばよかった。

 この事から、コンロの熱源は既存のままプロパンで良いと考えていた。やっぱり炎での調理が一番だ、と。しかし、ここでお母さんのポンコツ具合が発揮される。

 火を着けたまま忘れる、という事は今までの住居では平均年一回はしていたと思う。お父さんがいくら叱ってもお母さんは懲りない。火の不始末は一回でもいけない。しかしこの家では、引っ越してから既に3~4回だ。過去平均記録をハイペースで上回ってくる。家が広くなったので増えたのだ。
 さらには、お父さんも気付きにくくなった。気付くのは、空焚きして充満した臭いで=失火寸前という状態で、しかもお父さんのみ。お母さんは嗅覚もかなりのポンコツ具合だ。

 よく聞くのは「高齢になってきたからIHに」。もちろん、お母さんの場合は年齢の問題ではない。今時のガスコンロも進化しているらしい。しかし、火の不始末以外のポンコツ具合と整合するとお母さんは、お父さんのような凡人はもちろん、優秀な技術者の設計によるハイテクガスコンロをも上回る事は十二分に考えられるのだ。もはや想定不可能。


 一応悩んではみたが、IHにせざるを得ないと思う。まだIHの方がマシなような気がする、という単なる希望的観測だ。
 これにより、給湯もプロパンの選択肢は無くなった。灯油と比べて割高だからだ。電気との比較も、計算してみたり我が家での使用具合などを考え、引き続き灯油の方向。灯油給湯機の更新時の度に、電気と比較していっても良いと思っている。