家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

羽目板 嵌めまくり

 この写真は何の部材か。これまでの話の流れを踏まえて分かるようだと、お父さんより施工か設計センスがあるんじゃないか。

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 電気設備設置用ニッチを造作した事で、必然的に覚悟が出来た造作工事がEPS。腰が重い施工の一つだったが、勢いが止まらない内に進めるべし。しかし、これの何に躊躇していたのか。

 当該箇所の壁は相じゃくり接ぎによる羽目板とは決めていた。西側と南側の取合壁には羽目板の一方を受ける材は取付済。しかし、もう一方を受ける部材は、現況は空中である箇所に設置され、直角二方から来る羽目板を受ける必要がある。用途と場所と意匠からして柱ぐらい太い材では無く、強度は持ちながら細目の材でこれを造りたい。だが、それをどう造るかまとまらなかった事、それに木材の購入が伴う事が停滞していた要因。

f:id:kaokudensyou:20180415175601j:plain←底板だけ付けた状態

 

 3DCADの前でああでもないこうでもない、と悩む事数日でようやく決定。他の発注分がない時期の為、この細い材一本の為だけに製材所に発注する。気使いお父さんはそんな事が出来ない件は、元天井廻縁の解体材から出来る案が創れたのでクリア。停滞要因が払拭出来たので、後はいつも通りの施工自体への腰の重さ問題だけ。だが、これも先述通りに然程重くなく、出来上がったのが前出の写真の部材。

 当該支持の材加工、そして設置と調整までに半人工程要す。何も無かった懸案箇所に材が付くと、施工が進んだ実感を得られて精神衛生に良い。

 

 続いて羽目板加工。

 材は当然ながらの床捨て板。この板、今まで度々使ってきた。しかし、今回のようなガッツリ化粧材として使うのは初めて。出来るだけ綺麗に外して欲しいとお願いしたら、予想を上回る綺麗さで実施してくれた探検さんにこれで面目が立つと思う。

 まず材を水洗いの上、薪ストーブにて乾燥。まだ寒さある日でもすぐ乾いちゃうな。

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 そして、延々加工。自動カンナで多少の綺麗さと多少の均等厚に揃えた上、ソーテーブルにトリマを付けてその刃を通して行く。これに思いの外時間を要して、この加工だけで3人工弱程。機械等の不快な高音に対してイヤーマフを付け、漏水試験までの遠さを感じる長時間。

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 仕込みに時間が掛かるのは毎度の事ながらこの加工では、ついでにキッチンカウンター下の背板も造ったのでこの人工数。この背板を入れる事で、キッチン給水の元水栓取付が出来る事からだ。

 ちなみにこの背板は、カウンター支持材かつ仕切板と同様に古色塗装をするつもりだった。だが、全く見えなくなるし塗装保護も必要なさそう、と省略して1人工弱で取付。

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 話を戻してEPSの羽目板。仮並べしてみる。受け材加工を行いながら仮嵌めしてみる。

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 いける、となって古色塗装の上で嵌めて終わり、とは行かず。微調整やら再加工やらを含めて1人工。地味な造作箇所だが重要設備箇所。電気工事が終われば羽目板を全部入れるぞい。

 これを経て前出の、トイレ内の手洗台水栓の元栓、並びに件のゴムパッキン等の排水部材取付が完了。

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