家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

配線計画が無い事のツケ

 現場置き建材消費を進めて行く。目下の所、使い易くて邪魔なのは胴縁材。よし、壁を造ろう。そう思って始めたものの、合間作業としてはややこしい壁。

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 ダイニングとトイレを仕切る当壁の北側は、壁掛けテレビ設置予定箇所。電源供給と電波供給が必要。南側は、LDKと奥玄関廊下を仕切る引戸が収まる薄壁。これら造作に手間が掛かりそう。

 さらに、元々全て引戸だった場所こともあり差鴨居と框敷居があり、それぞれがとても太い。よって、配線を壁上下どちらかからするならば、孔を開けないといけないがそれは勿体無いから避けたい。

 となると、トイレ内に造作予定である二階用上下水道管と電線を通すEPSが南側壁に接するので、これを使う事にする。そうなると、薄い南側壁にPF管を通し、南北壁を仕切る間柱を渡る必要がある。あぁ、難題。

 

 さらにさらに、検討中に問題発覚。一年以上前に建てたトイレ廻りの五本柱の一本であり、先述の差鴨居と框敷居に挟まったように設置して当壁に絡む柱。南側薄壁の厚さに影響するこの柱が、差鴨居と框敷居への入り込み具合がどうにも寸足らず。

 

 原因追及。

 まず、差鴨居と框敷居の断面位置具合にズレがあるっぽい。こういう家屋だから致し方が無い。

 さらに、これが決定的だが、配線計画が無い状態での設計施工。引戸が収まる事だけを考えて、PF管を収める事までは考えておらず。致し方が無いとは言えない大失敗。

 結果、落ち込み度120%、思考停止モード突入。この間の微糖コーヒーと煙草と時間の消費が止めどないので強制再起動、遣りながら考える強行施工を決定。

 

 まずは、南北壁を仕切る間柱確保。

 在庫は一本だけある。母屋二階用に一年以上前から現場に入っている、四寸角の短尺荒仕上で二面上小節の良柱。お値段、凡そ4千円半ば。これを使う気満々だったが、材を見ながらふと考える。必要なのは三寸角程度。日頃見える面は西面のダイニング側だけ。北面は北側壁となり、東側は既存柱で隠れ、南側は見える事は見えても引戸を閉めた時だけ。勿体ないよな。

 

 という事で、電材品探しついでにホームセンター材を物色してみる。

 ホームセンターにある角材なんてものは、製材品質がイマイチ、寸法精度もイマイチ、曲がっている、汚い、節だらけ、割れがある等々、とても化粧材には使えない物ばかり。だけど、製材所よりも高い。仕方が無い、経済構造からしてそういうもんだ。

 だけどもあった。山積みされていた角材を一本一本発掘してみると、条件に適う物があった。樹種は目当てのスギではなくヒノキだけど。当柱の条件が低い事からもしや、と思っての事ながら探してみるもんだ。お値段はイチキュッパッ。端材が結構出るのでお値段以上。落ち込み度50%に低減。

 人工乾燥バリバリで背割無しだったので背割りを入れて、電線管孔を設けて、鉋掛けして、イモ留めビス打ちにて設置。

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