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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

単独と素人さを強く感じた原木購入

 階段踊り場束柱用の原木買い直し決断後の原木市が開催。いざ再出陣。

 事務手続きをしようとすると不要だとの事。前回に作成してもらった番札は保管されていた。信認金も不要で後日振り込めが良いとの事。事前の電話でも事務所に訪れた際でも、お父さんは既に認識されていた。顔パスだ。

 一般参加者への門戸を開いているものの、やはり珍しいのだろう。もしかして、お父さんだけかもしれない。割り振られる入札者番号はかなり空いていて、「もう多分来ることは無いと思います」と言った人間の番札が一つや二つあっても保管にはどうって事はなさそうで。

 

 それにしても、この時の市はハズレだった。出品数が前回よりも劇的に少ない。4分の1かそれ以下。そんな事は予想だにせず。不安を抱いて候補材を探すと、案の定一点のみ。合格要因は大きさのみで、皮付き材で幹に腐りがある。前回の市でなら候補材にしているかどうか微妙。

 

 大いにその場で悩む。まずは皮。良し悪しの判断が付かない。良い点としては、皮がある事で傷が少なそう。皮剥きによる傷は確実に無い。悪い点は、皮剥きを自分でしなければいけない事。やった事が無い。出来るかどうか分からない。これをその場で判断しないといけない。幹の腐りもどうしたものか。何度も何度も寸法を測り、加工のイメージを固めていく。何とかなるかもしれない。

 幹は太くともそれを台無しにする腐りがあって、尚且つ短尺材。玄人の方達だと材取りが出来ないとかとかで入札されないだろう。競り子さんも低い額から始めるんだろうな。これを見送る程の余裕はお父さんには無い。少しでも出来る事はやっつけて行きたい。お父さんの頭の中は二桁の工種と工程、掛けると三桁になってとっくに一杯だ。

 

 出品数が少なくて良かった点、すぐに順番が回って来た。予想通り価格は低かった。しかし、予想外に競り合った、ちょっとだけ。

 落札後、競り合った方と話した。「安過ぎても可哀そうだから」と手を上げられたそうで。これはどうも本当っぽくて、似たような材を購入されていたがそれを「あげるよ」とおっしゃる。「欲しい」と瞬時に思ったが、貰っても運ぶ手間の事や既に原木1本分を抱えているので残念ながら辞退。入札前に言って欲しかった、と無茶な事を思う。ちなみに、用途を尋ねると板材にどうかとのお考え。なるほど、面白い板になるかもしれない。

 

 買った材は傷を付けないぞ、と自分で軽トラに載せる事を試みる。前回の材はクレーンで荷下ろし。今回も同じようにクレーンが使えるはず。

 だが、無理。軽トラは傾き、クレーンは引っ張られて壊れそう。前回と似たような容量なのでいけると踏んだが、異様に重たい。原因判明、水がたっぷりで滴り落ちる程。真冬の出品材なので冬季伐倒、そしてある程度に含水量は減っているものだ、と思い込んでいた。大外れ。

 「自分でやります」と言った直後に「やっぱりお願いします」と。あぁ、恥ずかしい。

 

 しかし、重機だとまたもや傷が入るかもしれない。必要箇所を外して片持ちして積載出来るかどうか、と相談。そこに、玄人の方々が登場。軽トラとクレーンであれこれしていたものだから、「素人が何かやっとる」と目についていた。あぁ、恥ずかしい。

 玄人のお一人曰く、重機のカニばさみの爪先に、原木に巻いたスリングベルトを掛けて揚げたらいいんじゃないか。かなりの名案、さすが。

 

 お蔭で無事に積載。しかし、何だか不安定感がある。前回より容量は小さいものの、やはり重量は明らかに重い。これを荷台に固定する為の用具を忘れてロープのみで行っていた。大失態。あぁ、恥ずかしい。

 すると、お父さんとちょっとだけ競り合った玄人さんが、市の方に頼まれてロープで荷台に固定してくれた。この結び方、何回も目にはしていても、やる側で無いお父さんは結局覚えられずに今に至っている。

 今回は、素人丸出しだったが玄人の方々に大いに助けて貰った。長らく単独であれこれしているので、この感覚は久しぶりだ。