家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

白蟻じゃないよ、キクイムシだよ、食い跡だよ

 背骨に当たるような大引兼根太を組んだ後は、その他の大引と根太組みに取り掛かる。

 お父さんのこの箇所の施工方法は根太先行。周囲の根太を差し引きして床基準とし、それに合わせて根太を、その根太に合わせて大引を、その大引に合わせて束を、という具合。

 

 本来ならこの逆。そして、最終的な高さ合わせはパッキンを用いて行うのが一般的。この家でも勿論これ。何も無い所から組んでいくのなら、こうせざるを得ないだろう。

 でも、本工事は改修工事。残存部材との取り合いを色々考えないといけなく手間が掛かる。しかし、この箇所の施工に置いては、基準がある上に既存材がある。これらを利用して逆順に施工すれば楽じゃないのか、とやってみた。正順をあまり知らないので正解は分からないが、多分間違っていなかったと思う。

 

 床下の施工。解体材からここぞとばかり、見てくれが悪かったり角材にされていない物を使うようにした。その中で、虫食い跡がある材も使っている。強度上何ら問題無い、と言い切ってしまう。なので、床下に潜った時に「白蟻発生か!?」と驚かぬように。食い方からキクイムシかと思われ、そもそも食い跡だ。

 

 ところで、白蟻が巣くっている木は一見してそうだとは分からない。白蟻は、寒さは当然ながら外気と光を嫌がるか弱き生き物。なので、木の表面は温存しながら内部を食べる。それに、食糧の木が外気を介して離れて位置していると、意図してか闇雲にか、その間に「蟻道」というトンネル通路を造る。束石にこれがあると矢場い。今の所、人が入られる母屋床下にこれは見当たらない。

 ちなみに、既存の台所など人が入られない床下がある母屋居室だけでなく、門屋は気掛かりだ。捨て置かれた木を貰ってきて薪作りを門屋前で行っていた際、白蟻が大量に出てきたからだ。見つけ次第に焼き殺し。しかし、土間コン隙間に逃げ込んだ奴も相当にいていると思われる。門屋改修の際に発見したら書き記す。

 

 さらに言っておく。建物廻りに木材や花壇や土を置いてはいけない。木材は白蟻を呼んでしまい、土等は隠れ場所を提供してしまうらしい。そういう意味では、土間コンもよろしくは無いと本職の方の記述を見た事がある。今時の家もこの家も土間コンだらけだけど。

 また、昔の家屋や小屋等には、足場材としてなのか細めで長い丸太を積み上げている光景が結構見られる。薪を積み上げていたりする所もある。これらはどうなのか。乾燥している木だから白蟻が好まない、という事とかで大丈夫だったりするのだろうか。お父さんは、一応こういう事は行わない方が無難だと思う。