家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

原木、衝撃の事実

 落札後、競り市主催者の組合事務所に向かう。すると、返金についてどうするかの問いを受ける。またまた分からない。信認金1万円を預けて「1万円」で落札して返金とな。1万から1万を引くとゼロだと思う。なのに、別れを告げたお金が帰って来るとな。何か間違っているんじゃないっすか。

 

 明細書を見て初めて理解した。競り市での数字は立米単価だった。お父さんが競り落とした材は0.5立米程。これに積み込み料や税金入れても6千円弱だったのだ。改めて読むと、この競り市のサイトの説明書きに「立米売り換算」という言葉が載っている。しかし、その「説明をする」というのは実行されてないぞっ。

 

 急速に落ち込む。返金があると聞いた瞬間は喜んだ。しかし、第二候補等の「3万円」台が予算程度で買えたのか、とすぐさま思い大いにガッカリ。浮き沈みに頭が眩む。何なら、少々予算オーバーをすれば第一候補さえ手が届いたかもしれない。

 木材生産や出荷立米とその単価の関連性がこれ程無いのならば、お役所等発表の木材相場なんて大して役に立たず、自分達の仕事作りの為の仕事か天下り先確保か何かじゃないのかよ、と八つ当たり。

 あぁぁ、凹む。先程までの安堵感や高揚感が消えてしまった。事前見学を大いに活かせず。浮いたお金は凡そ1万円。アルバイトの日当程度では励みならず。

 

 しかし、やっぱり買うのは止めます、なんて事はご法度。何が何でも持って帰る。

 が、先端がカニ挟みのようなものが付いた重機で大型トラックに木材を次々載せていく。それを観察。やはりどうも原木に傷が入ってしまう模様。そこで相談。アタッチメントのカニ挟みの爪先で挟まないようにして、極力傷は入らない様にしてみますよ、との事。

 と言っても幾つか傷が入ってしまった。それでも構わない。どうせそもそも傷が入っている。既に傷心のお父さんも無痛。むしろ、丁寧さを心掛けて作業をしてくれる方に謝意。チェンソーで指示位置通りにて二分割にしてくれた上で積載。ざっくり全部で300kg荷物を載せて山越え帰宅。

 

 ちなみに、原木を買いに行くという選択肢を持ったのは軽トラクレーンの存在があってこそ。自己伐倒調達の選択肢も同様。この科学技術製品と同道具によって稼働するクレーンがある事で、か弱く非力な一人間の可能性は大いに広がっている。ほとんどの都市生活者と多くの田舎生活者にとっては無用の長物かとは思うけど。

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