家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

現況図の「施主作図」

 北側敷地の土木工事などと並行して、母屋の現況図づくりを行っていた。


 具体的に間取りがどうだ、とか考えるにはやはり図面がないと進まない。おじいちゃん建築士に描いてもらうところが本来なのかもしれないが、距離が遠くて大変だろう。現場採寸だけで一日では終わらないのではないか。というか、一日で終わらせてしまうようなざっくりとした図面を描きそうな予感。さらに、現況図作成自体もなんだか一年後に行いそうな予感が凄くする。もしそうなら、「この一年間で考える」という話だったがそれが出来ないではないか。

 というわけで、自分で描く事にした。
20歳頃から使い始めたJW-CADという無料図面ソフトでだ。


 二人に図面の書き方まで伝えておく必要はないのだが、通常、通芯という線をまずはグリッド状にひいていく。今時は
1m間隔の設計があるようだが、日本では基本的に半間(はんけん=3=910mm)間隔だ。この通芯の線上、交線上に柱や壁が置かれる。

 当然この家はこのセオリー、と思いきや何故かズレる。

 柱などの木材寸法規格も、日本では尺寸だ。例えば普通の在来工法の家だと、4寸(120mm)角や3寸(105mm)角などが主に使われている。

 当然この家はこの規格通り、と思いきや何故か違う。各柱寸自体が均一でない。


 そうか、おそらく今時のような建て方でもなければ製材方法でもないのだ。ちゃんと目的を果たした上に、美しく納まるのならばそれで良かったのだ。現場で大工さんが加工してカンナ掛けをしていた時代だからな。


 と言って問題ナシ。描きやすいように通芯を描いて、近似値の寸法の柱を配していけば良い。改修工事に厳密な既存寸法は必要ないだろう。そう思って描きはじめるものの、なんとなくズレたまま整合せず、適所適所で帳尻合わせ。

性分がキッチリ方面なお父さんからすれば、なんとなくのズレはなんとなく気持ち悪い。このズレを放置したままだと、二階を描くとき、立体図を描くとき、整合が取れなくならないだろうか。

 悩み出したお父さんは、ある決断を幾日躊躇っていた。また新たな事をするのは、大変な事をするのはいかがなものか。

というのは、3D-CADによる作図だ。これならば、通芯グリッドで描いていくというより、現況そのままに描いていく事になりそう。整合性が取り易そう。立体図や断面図も一気に描く事になりそう。二次元だと図面が読めないお母さんでも三次元なら大丈夫そう。ここからおじいちゃん建築士に採寸してもらえそう。

で、結局は3Dを採用。「施主施工」はもちろん「施主作図」もしたくはない面倒臭がりのお父さんは、一方でキッチリしたがりで適度以上の品質を望む。そんなのだから、どんどん自分でやる方向を選んでしまう悲しい性なのだ。やだやだ…