家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

建築士ではなくあくまで施主がリーダーなのかな

 薪やら竹やらドングリやらと戯れながら、この家の改修プランを考えなければいけないものの、なかなか思考が進まない。

 その為にも建築士に期待していた。が、一向に進展させようという気配はない。叩き台もない。ま、こちらが具体的にこうしたい、ああしたい、というものが叩き台になるのだろう。と思うのだが、そういう事を考えろとは言ってくれない。「建築士との計画の進め方」については経験や伝聞で想像はしていたが、我らが建築士はどうもそれとは違う。


 予算と実行費がおそらく大きく乖離している、と思っていたお父さん。なので、最初から予算を意識した計画を立てたいと思っていた。後で大幅に変更する事になるだろうからムダが多そう、見積作成する工務店等の徒労と消耗からヤル気を削ぐのでは、と考えていたのだ。

 しかし、おじいちゃん建築士はハナから予算は意識させない。各施工費用の目安を聞いても教えてくれない。「まずは、自分のやりたい事を考えましょう」と。


 言いたい事は分かる。最初から限定したようなプランは詰まらない、という事だろう。今まで両手では足りない建築士や施工者と話なりをしてきたが、ある程度話が進む前に「やめときなはれ」か「わてら忙しいんで」かほぼ無視かの対応。唯一、このおじいちゃん建築士は「施主に寄り添った家づくりがモットー。やりましょう、実現させましょう!」と前向き。かつ能天気。最初から予算を気にするな、自由にノビノビ考えろ、という姿勢はある意味一貫している。


 という風に都合よく自分を納得させて、お父さんなりに勉強してみる。

 在来工法の住宅は身近な風景、過去の仕事でも触れてきた、実際に住んでいた、だいたい想像は出来る。しかし、伝統構法は初めて。どんな改修にしたいかを考える合間に、伝統構法とはどんなものかも学び始めるようになった。