家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

砂漆喰を作ってみる

 水引き対応法のもう一つは、砂漆喰施工。

 これは昔ながらの方法だそうで、仕上げの前にこれを下塗りして下地からの水引きを緩和させる、との事。他、骨材となる砂を入れる事で強度を高める目的もあるそうだ。セメントに砂を入れてモルタル、さらに砂利を入れてコンクリート、と同じだな。また、下地状態によっては不陸調整もあるだろうか。

 

 シーラー法を横に置いておくと、どうもこれしか方法がなさそう。という事で砂を買っておいた。購入品は珪砂6号。珪砂とは、石英の粒でガラス等の原料。号数は、その粒の大きさを差したもの。6号だと0.2㎜~0.4㎜。珪砂の採用理由は、どうも工場で加工されているっぽいから。

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 由良川砂も含めた普通の砂は、建材業者が篩いを使って大きさを選別しているイメージ。標榜している粒径は目安という感を強くした。一方、珪砂の工場加工されているイメージ要因は号数というその標榜から。粒径を各号数で分けられその寸法はコンマミリ単位。さらにはコンマゼロミリ単位。

 そんな中に、普通の砂のような5㎜強とかの大きな砂が入っているとは思えん。この微細な数値からは技術と粒度の自信を感じちゃったので、普通の左官砂を避けて珪砂を信用してみた。

  

 で開封。見事なまでの微細粒。お父さんの信用に応えてくれた。薄塗りする漆喰にこの均質性は有難い。

 ただ、左官砂である川砂は角が取れている事が肝要と認識。大いに加工されたっぽい珪砂は角張っているんじゃないか、と後日調べてみる。すると、本職でも珪砂使用例の記述があったので良しとする。

 ちなみに、漆喰の強アルカリ性に対応する骨材として、寒水石という物もあるけども。それも後日知る。

 

 で配合。一体どれほど石灰に加えれば良いのだろうか、とお父さんの左官教本であるサイトを拝見。

 そのサイトと言うのは、ある建築事務所により伝統構法民家の復元新築工事の公開記録である。お父さんは設計時に発見し、本施工の土壁全般において大いに参考にさせてもらっている。特に、材の配合内容とその割合。

 今回の砂漆喰でも参考にさせてもらおうと、いつもの手順で拝見しようとするも消えている。大いに焦る。記載文言を思い出して検索すると、再び見つかった。プリントアウトすると大変なので横着しているのだが、これには冷や汗が出た。

 自然素材建材や伝統構法についての記述は限られていたり偏っていたりして、ましてや配合等については数少なかったり皆無だったり。特に左官は難儀。現場次第、気候次第、職人次第、さらに鏝捌き等と違って材配合は目立たないから、かもしれない。

 

 無事に見つかった当該サイトによる所から、お父さんが仮「決定」した砂漆喰配合。

 石灰10kg+珪砂11kg+海藻糊320g+麻スサ20g

 

 「真似」ではなく「決定」としたのは真似られないから。

 当該サイトでは、石灰に貝灰も混ぜている。海藻糊も複数種。それに、単なるスサだけでもなさそう。対してお父さんの実験用手持ち材は、既購入漆喰材内容物である石灰のみ10kg、海藻糊1種のみ160g、単なるスサ状の麻と称される植物繊維のみ10g。

 ズブの素人からすると、真の左官職人ではなく素人相手の建材業者を基本にしないと諸々厳しいような気が。と言う事で、当該サイトの消石灰割合に対して砂割合を算出、その結果である重量比1:1.1のみを真似る。骨材により重量がほぼ倍になった事から、糊とスサも倍増させてみた。本当は重量比ではなく容量比に応じた増量ではないか、と後から思ったけども。

 

 という事で糊とスサは不足。よって、別途左官建材業者から急遽購入。配合等を避けたくて実質既調合済品を選んだのに、結局は自己配合する事になっていく。

 

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