家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

隠蔽工作

 土壁に隠蔽配線。これは後から不可能。

 既存土壁内配線方法は金属管埋設。これは入居時点で全て廃線となっており、金属管内の布被覆配線は引っこ抜く事さえ出来ない物が多かった。よって、後年の家人はビニール電線の露出配線を選択したわけだな。これを選択しない場合は、やはり金属管か樹脂管を露出させるしかなかっただろう。その意義は低くそうなので、費用対効果から電線露出は仕方が無い。だが、お父さんとしてはこの二の轍を踏みたくない。

 

 よって、将来の電線や通信線交換に対応する。

 本施工にて電線等は一新する予定。基本は、人が入られる床下や天井裏に露出線として各部に配していく。そこから居室に向けては、壁内に電線管を設置してその中に配線する。

 新設壁を原則土壁にしない事は、おじいちゃん建築士から予算面でそうすべきとされていた。その後も変更しなかった理由の一つはこの配線の為。土壁よりも中が空洞の木軸石膏ボード壁の方が、電気工事面でも手間や費用の面から都合が良いとも判断した。

 ちなみに、床下や天井裏に管を使わないのは節約の為。

 

 また、どうしても隠蔽できない所は、古色系の割高カラー電線を使用する。

 隠蔽不可の最たる箇所は、母屋一階天井照明用電線。既存の配線法は、本施工レベル以上にそれはそれは家屋解体をしないと交換出来ないような方法。本職ならもしかして出来るのかもしれないが。古くなったせいなのか布被覆電線は、ビニール電線より硬いので本職でさえも無理かも。内部の通電金属は見た目からして銅っぽくないし。

 こんな事が将来の子孫に起きる事を避ける為これを最優先、隠蔽を次優先とした。

 

 そんな方針だけは決まっていたが、具体的な配線箇所は漠然としたまま。設計段階でそれら仔細までを詰めておく事は事実上不可で、そもそも照明器具の種類や設置場所も決められないまま来ているから尚更。

 よって、施工しながら必要に応じて考えざるを得ない。そのような事から、漆喰塗りに入る予定のキッチンの照明をお母さんと緊急検討の上、決定させた次第。

 

 照明や実際の配線等々は後日として、実行した電線管設置の事だけを書いておこう。

 どう考えてみても、キッチンと食品庫との壁となる既存土壁を貫通させないといけない厄介さ。それを踏まえて押入れ解体をしたのは良いものの、キッチン側引込み部からしてさらに天井板を破壊。

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 当該部の土壁も破壊したりする。

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 見える位置であるキッチン台上方照明用電線貫通部は細い塩ビ管として、それをビスで固定。その塩ビ管にPF管と言う蛇腹の樹脂管を接続。

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 キッチン室全体照明用電線貫通部は、キッチン反対側が手が届かない所。手が届く為には、諸々破壊しないといけないので嫌。よって、見えない位置だからとPF管をそのまま貫通させる。

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 こんな具合で果たしてメンテナンス対策になっているのだろうか。素人電気工事士には皆目不明だけど。