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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

棚式簡易漆室造作

施工:母屋床 施工:塗装 建材:木材 建材:塗料

 この床板漆塗り施工。長尺材の塗装作業の場所としてはどう考えても無理がある。埃が舞う事が一つ。だが、これは無視する。将来の施工後塗り直しでも条件はどうせ同じだし。問題は硬化の為の置き方法だ。理想としては、一枚一枚をバラで立て掛けて置いておける感じ。4m材が大半の百枚超の物をそんな感じで置ける所は屋外以外無いわけで。これは、床板材の加工が始まっても答えが出ずだった。

 

 いや、一つだけ答えはあった。それ以外の楽ちんな方法が無いかをずっと模索していたのだ。粘ってみたが他に案は出ず。観念して実行したのが棚作り。桟置きが出来ないから棚置き、という至って単純な案。だが、作るのが兎角億劫。どう考えてもこの床板漆塗り作業でしか用途が無いからだな。そんな消極的造作なだけに、いざ出来て使う段になってスペースの過不足を知ったり板材の出し入れに支障があったり、なんて嫌だ。という事で、計算とシュミレーションの上でCAD作成。

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 ここで、以前に古民家先輩の桟置き案を一蹴し、その後も一貫して出来ないとしていた考えを書いておこう。

 まずは、たわむ。これは先述したが、杉4m材だと厚さが30㎜程度だと材がたわむ。証拠写真を載せておこう。たわんでも下となる材に付かない程度に背がある桟を置けば良い、とはならない。たわんだ状態で塗られた漆が硬化する。すると、たわみを解消する際にその漆は引っ張られてどうなるのか。この疑問が解消されなかった。

 また、もし下材に付かないようにと背がある桟を使うと、桟積み材の不安定さが増す。結局、あまり置けずに置き場所スペースに余裕が無くなる。そのような場所で作業すると碌なことが無く、仮に物損や人身事故は起こらずとも効率はすこぶる悪くなるのは目に見えている。

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 さらに、桟を挟む為には板材端部の加工が漆塗布前に出来なくなる事も問題。漆が仕上がってから、板材をひっくり返したりしてと塗布面が何かしらの物に接触する。単独でこれを行うと傷等を入れてしまいかねない。いや、確実に入れる。綿とか布とか使っても効果があるのは最初だけ。もし無傷で加工を終えても、またそこに漆を塗布しなければいけない。

 

 あぁ、大変。どっちが大変かと言うと、一見楽そうで実は桟積み方式。古民家先輩邸の現場では効率的で確実な桟積み方式でも、単に現場違いの話でこちとらそうはいかない。こうお父さんは判断し、そしてのまだマシな棚積み方式にて決定。

 

 嫌々ながらのこの棚積み方式、これに想定外の副産物があった。決定後の造作計画立案中、これは漆室が出来るのではないかと頭に浮かぶ。ブルーシートやビニールシートで覆ってしまうのだ。

 で作ってみた。左手棚には短尺材、右手棚には長尺材。写真では右手棚は一部未完成にしているが、これは追加発注した材の搬入経路になる為。搬入後、手前と中間にも桟材を取付て完成。

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 棚の漆室化により、気温10℃台でも灯油ストーブ二台を全開すると30℃到達と行き過ぎる程な具合。母屋一階のキッチンよりかなり楽に調整が出来る。但し、我が家の加湿装備である噴霧器や鍋やヤカンやバケツ雑巾垂らしでは、さすがに寒さが強まるつれ湿度の数時間維持が出来ない。オフィスに置くような加湿器があればちょっとは違うのかもしれない。

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 それであっても、この造作により漆塗布期間への工期ストレスが、床板に対しては無くなっていた。キッチン天板を抱えている中でこれは大きな副産物だった。労力は一人工ちょっと、材料は胴縁材の拝借とブルーシートの一部新規購入。だが、費用対効果はあったと思う。

 

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