家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

一回目捨て塗り後の話

 板が反り直っている内に裏面塗布実施。懸念していた裏面塗布。あぁ、しんどかった。漆は刷毛を伝わり流れ落ちてくるし。所要時間はやはり凡そ2時間弱。表面と併せて一回目捨て塗りは4時間弱も要した。

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 板反りは終了時には取り合えず無し。暫く様子見。

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 この塗りにて漆使用量はほぼ400g。師匠のサイトにて覚悟はしていた。してはいたが、これで6千円強かぁ。

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 さて、裏面を塗った事で新たな発見。

 L字短尺側の板裏面は、練習として鉋仕上げとなっている。長尺側の同面はベルトサンダー仕上げ。漆を塗った結果、どちらも良い感じながら出来具合は全く違う。鉋仕上げ面は木目等がキリッとしている。一方、サンダー仕上げはモワッとしている。お父さんの好みはキリッとだが、モワッとも悪くない。鉋掛けしないで済むから尚更悪くない。漆師匠に勝手弟子入りしたものの、イモ接ぎでない接ぎ板でならサンダー仕上げの本堅地塗りも選択肢に入る。こりゃ、破門かもな。

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 そしてもう一つ。

 コンロやシンクが入る板開口部の木口面から、板裏面に塗布した漆が染み出して来ていた。裏面からの距離、目測5㎜強の箇所までぐらいは。板裏面側でその開口部に近い箇所の開孔している導管の中を、その反対側となる開口部木口面に出てくるように漆が通って来たようだ。杉なら有り得ないんじゃないか、というぐらいにタモ導管は大きい。距離が短い事もあり、そのような状態になったのだろう。

 お父さんはこれを喜んだ。これで木地が強くなるぞ、と。しかし、後述するがそう上手く行ったわけではない。この箇所が、漆が通られる条件があっただけと見ている。先に掲載したあまり漆が浸透していなさそうな写真の方が大勢だと思う。

 

 もう一つ余談。刷毛に使う漆以外の液体の事。二人には不要かもしれないが一応記載。

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 漆刷毛使用後は当然洗わないといけない。刷毛に付いた漆が固まってしまうと刷毛がお陀仏だからだな。この為には油を使う。油を刷毛に含ませてヘラ等でしごき出す。それを繰り返して刷毛内の漆の濃度を下げる。完全に除去は出来ないので「下げる」だ。

 この油の種類は複数候補があったが、お父さんは単純に菜種油。漆刷毛師の方からの教えに沿った。この油はある程度含ませたままにしておく。たっぷり過ぎると刷毛に染み込み不具合を起こすらしく、少な過ぎると刷毛に残った漆が固まるかもしれない。この加減は適当で様子を見ながらだ。

 

 次に刷毛を使う際にはこの油を取らないといけない。それには溶剤を使う。これまた灯油という記述が見受けられるが、お父さんは純テレピン油を使用。理由は前記した事と同じく灯油は怪しいからだ。

 さて、この純テレピン油は漆を通して初めて知った物。松脂を蒸留して得られる油だ。と書くお父さんも何だかよく分からんのだけども。この純テレピン油以外にもテレピン油という物がある。「純」が無いだけで何が違うのか、購入するまでは分からなかったが明らかに違った。匂いだ。

 

 純テレは樟脳というのかハッカというのか、そのような匂い。しかし、テレの方は明らかに思いっきり石油系の匂い。灯油と何が違うのか、と悩むレベル。使い勝手については純テレの方が揮発性が弱そうだ。ここらを理由に使い分けられている方もおられるようで。

 漆器等の本職でも気にせず石油系を使用されているのにお父さんは神経質だな、と思うかもしれない。お父さん本人としてはよく分からないだけに、自分や家族が口にする箇所に石油系を使わずに、それより高額にも関わらずわざわざ純テレを使用する次第。本職が自己や家族使用の物にまで石油系を使うのなら考え直したいのだけどもねぇ。 

 

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