家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

鏝からの塗り方推察

<道具:鏝からの塗り方推察>

 鏝には用途によって様々な形状があるらしい。仕上用や下地用、という類だけではなく本当に様々のようだ。とても書ききれない。鏝の材にも違いがある。ステンレスか鋼かが大別だろうか。白紙鋼もあったかな。そして鋼は硬度順に地金、半焼、油焼、本焼という仕様があるらしい。もっと書いていくと、これまた書ききれない。

 ちなみに、本職の中でも名が通る左官職人の方に至ると、鏝は数百種単位でお持ちだそうだ。それら鏝代だけで本工事の全予算以上になるんじゃなかろうか。

 

 さて、探検さんがお持ちの本職鏝は「半焼鏝」との事。チラ見した刻印から、東京方面の本職御用達の有名所での品かと思われる。今は違うっぽいが、鉋は製作者個人名よりも卸問屋による登録商標によって販売されていたのが一般的だったらしい。鏝も同じならば、探検さんの鏝は恐らく間違いが無い品ではなかろうか。それを探検さんは使いづらいとおっしゃるのは何故か。

 お父さんが調べてみた所、半焼鏝はその硬度の甘さが土材に適する鏝だそうだ。そして、形状からして中塗用かと。土壁中塗りをしているお父さんにとってはまさにドンピシャ。だから使い易い鏝。ならば、探検さんが使いづらいと感じるのは、探検流がやはり「仕上げ薄塗り法」だからじゃなかろうか。

 

 探検流を本物の土壁下地の中塗り方法と見なさないのは、探検流を理解し切れないし使いこなせない自分の未熟さと、我流を信じたいエゴなのかも、と自分への疑いがあった。しかし、探検流の観察と実践だけでなく道具面からもとなると、疑う事はもうやめていいんじゃないか。お父さんが勘違いしていてもいいさ、と腹を据える。

 

 という事で、半焼中塗鏝240㎜を新規購入。名匠と呼ばれる方っぽい所の物で、中には二桁万円台もあれば数万円クラスも目白押し。だけども、お父さんが購入したものは5千円ちょっと。さすがに上位高級品は、ねぇ。

 

梶原鏝製作所 ヒシカ重次作 半焼 中塗鏝 240mm

梶原鏝製作所 ヒシカ重次作 半焼 中塗鏝 240mm

 

 

 購入してから分かった事。腹側の通りがほんのちょっと透いている。この透きが材の土を捉えるらしく、これが鏝の命とか書いていた。この事でやっと気付いた事。今まで買った数百円クラスの鏝は、タダの1㎜ちょっと厚の平板を打ち抜いて取っ付けただけのものなんだろうな、だから数百円なんだろう、と。

 これ以外にも、鋼が鍛造されていて直ぐ使いが出来て、とかのものがあったりと何かと手が掛かっているらしい。それは流石に止めて置いての機械仕上げ品がこれ。

 

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