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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

新我流

施工:母屋土壁

<「面出し」と「堅固さ」の両立:新我流>

 お父さんは左官について無知という事だけは知っている。「無知の知」だ。これだけは意識しておいて、後はちょっと知ったやちょっとやったというだけで、推察と想像と断定をしていく事数多。しかし、左官は限界。分からんで混乱。頑張っても「仮の」断定まで。じゃぁ、本職を探して聞き出そう、とも思っていない左官鎖国状態。

 そんなお父さんに対して、箱根の関所の向こうから探検に来た一行が、見たことも無い左官大砲をぶっ放す。ちなみに現在の探検さんは見るからに日本人だが、お若い時は髪と目の色が西洋人だったらしい。こうなると、探検さんはますます東方から来航した提督。

 一方、左官工程の現状に色々悩んだり疑問を持っていた当時のお父さん脳内の主流派は、旧態保守派でもなければ攘夷派でもなく、どうやら開国近代化派。と言って急進派でもなければ尊皇派でも無い。既存の国体を維持しつつの合議制にするぜよ。

 

 しかし、ようやく身に着いて来た我流から、未熟者が他流を取り入れる事はなかなかしんどい。探検流に苦悩する事、凡そ一週間。「探検流は塗付にあり」じゃないかと見なす事にした。

 

 お父さんの我流を「下地厚塗り法」と称するのは、探検さんの向こうに見える本職先生から怒られるかもしれない。我流の方は、塗付と言うよりも置いていく感じであるからだ。これに対し探検流は、お父さんが考えていたはずの左官壁の最優先事項である「堅固さ」は絶対っぽい。

 探検さんの左官教室は本格派。それでもまさか下地板に、需要が著しく無い中塗り泥土を塗る事をはされないのではないか。恐らくシーラー使用かシーラー不要(接着剤含有)材使用が主ではなかろうか。要は、本物の土壁下地での固着を心配する必要性は無い、若しくは低いんじゃないかと断定。しかしそれでも鏝圧を掛けるのだ。泥土材であれば間違いないはず。

 探検流の第一印象はこれをお父さんに知らしめた。やっぱりもっと強く押し塗付ないとダメなんだな、と突き付けられた。これが目から鱗。この事に思考を絞るぜよ。

 

 と言ってそれでの具体的な変更点は、鏝返しの際の材量を探検流程度に減らす。これだけ。これ以外はお父さんには出来ないのだ。

 減らす事で、下地へ塗付ける際の鏝圧が材全体に掛かるように、下地への鏝による擦り付けの面積を増やすように、という目論見。白地に大きな黒ドットを打っても点にしか見えないが、ドットを小さくして無数に打っていくと白地がグレーに見えてくる、という感じ。分かる?

 これを踏まえて塗った材を、壁から剥がしてみた。すると、下地の壁土が材に着いて来ていたので、乾けば一体化していると思われる。これで正解かどうかは、数か月後、若しくか数年、数十年後に出るだろうか。

 

 もう一つ、おまけ的変更点があって、それは鏝の動き方。「左から右」に拘らないようにした。この効果はよく分かっていないが、鏝の減り方は良くなりそうな予感。きっとこれが良い、はず。

 

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