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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

我流と探検流の違い考察

施工:母屋土壁

<「面出し」と「堅固さ」の両立への道>

 観察と実践により、探検流との違いを考える。

 

○「板材用仕上げ薄塗り法」と「土壁下地厚塗り法」

 「土壁下地厚塗り法」としての我流に対して、探検流は板材という面基準が出ている下地での「板材用仕上げ薄塗り法」ではなかろうか。これは後日に探検さんより否定されたが、当時は疑っていたし現在でも釈然としていない。その根拠を下記でも後述でも延々と語る。

 

 探検流での塗付圧力、所謂鏝圧はお父さんよりかなり強く、探検さんの鏝は反り曲がっていた。これ程の圧力だと鏝を取って返して既塗付材へ動かした時、既塗付材は押し出されてしまう。そもそも鏝腹にある塗付材が、壁に押し付けられて鏝からはみ出していく具合。

 これらは、合板等のような下地自体が面基準になっている場合、かつ1㎜~2㎜程の薄塗りなら具合が良さそうだ。しかし、下地自体を左官で造らないといけず、厚みは所によって3㎜~5㎜やそれ以上の箇所もある。鏝圧加減調整で出来るのかもしれないが、お父さんでは難しい。

 

 一方、我流は材への鏝圧はまばら。面出しの定規でもある鏝が反らないように意識しているからだ。よって、塗付時に材が目標厚より多量の場合は圧が強目。目標厚にほぼ到達、又は未達量であれば圧は少な目。既塗付材と追塗付材との一体化は鏝で擦っている程度。

 

○塗付区分の大小

 お父さんが半間壁で8分割、3分の4間壁に至っては12分割程にしていた。これは、塗り面積が大きい程に面出しが難しいと感じた為。最初の左区分では、マステがある上際と左際の基準を使って面出しを行う。これにより次の右区分では、マステがある上際と右際、そして左には面出しされて基準となった塗付面がある。言い換えると、壁中央付近に基準を移動させている。新たに塗付ける区分に基準を持って行って面出しをし易いようにしているのだ。

 探検流の手順では、壁際基準は壁中央から遠いまま。我流では8分の1でやっている事を、2分の1の面積で行う事になる。8分の1でも外洋がどうとか言うぐらいのお父さん、2分の1は太平洋横断レベル。

 

○鏝返し量と面出し方法

 我流では、多めに塗付た材を鏝で削ぎ落していく事で面出しを進めていく。よって、鏝には削った材が付く。その材を鏝板の縁角を使って取り除く。これを繰り返すと、初期のベニヤ製自作鏝板は暫くすると端からボロボロに。意を決してプラスチック製既製品鏝板を購入。それでも角が落ちていく、一現場中に。これ、本職でもそうなのか!? 現代では鏝板縁に金属が付いている物が売られている。しかし、元来は木製の物。昔からこんな消耗品だったのだろうか。

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 そんな疑問をずっと抱えていたお父さんに対し、探検さんは言い放つ。「しくじっている」と。曰く、塗付の際に鏝返しで取った材は全て壁に置いてくるのが正解らしいよ、と。

 そうすべきだろう。でも、そうしなくてもマイナスではない。そう考えていたお父さん。しかし、「しくじっている」はマイナスという事だ。全ての材を壁に置いてくる事でようやくゼロだと。

 

 そんな探検さんは、塗付時に既に面出し基準に近づけている事から、お父さんのように塗付材を鏝で壁から大量に削り取らない。ひいては、鏝板で鏝腹から材を取る頻度があまりない。一方、鏝返しの材は少ない上で、塗付都度都度的な面出し。我流が面なら、探検流は点のように見受けた。お父さんの速度での点的塗りだと、面出しと均し段階では材が固まり修正が難しくなった。