家族と他人様のお陰で成り立つ伝統構法施主施工
藁スサ作り用の道具を造ってみた。足で押さえながら、釘を研磨して剣山風にした物。
剣山にしては釘密度が低いが、密度を高めると強度の心配がある。そして、研磨が結構面倒。取り合えずこれで試めしてみよう。気長にやれば出来ない事も無さそう。もう少し小さな釘を追加しても良いかもしれない。この手の作業者はお母さん。お母さんに使ってもらってから考えよう。
そう提案するもお母さんは、「折角だけども」と石で擦る方法の方が良さそうだと選択。この道具製作に要した時間、3時間弱が瞬時に無駄化。いや、構わんさ、お母さんがやりやすくて藁スサが出来れば良いのさ。藁をスサ化するには確実視出来る石擦り方法の方が、恐らく大変だけども有難い。
で、石擦り案の結果はやはり大変。きょうこと共に雪降る中で3時間以上もやってくれたものの、買物ビニール袋の中サイズ一つ分程度。借りてきた藁を切る為に押切器の切れ味の悪さも手伝って、予想を超える効率の悪さ。
藁スサの手作りはやってられない。山ほどある藁の使い道は、この際どうでも良い。買おう、貨幣経済の恩恵を受けるんだ。売り手は平成28年現在では存在する。使用量の計算をしてみて見積依頼。消費税8%と送料込みで四千円弱。
あぁ、お父さんの道具造りに費やした時間と材料、そしてお母さんときょうこのあの苦労に比べるとなんて安いんだ。自分達で作ると四万円分にはなりそうなのに。時間と労力を無視し、自給自作的施主施工が続いていると思っていたお父さん。久しぶりに貨幣経済の効率性と有難みを感じる。貨幣経済万歳、と二つ返事で発注。
これで推定必要量は得た。しかし、お母さんときょうこの作った藁スサを無駄にするのは申し訳ない。その分の購入藁スサが無駄になる無駄な行為。それでも構わん。
そうは言っても藁の灰汁抜きなんてどうするんだ。と、いつもの検索。藁スサ作りの方法は見当たらなかったのに、灰汁抜き方法は容易に複数見つかった。藁の灰汁抜きの方が需要があるのか。とても不思議。いずれにしてもIT革命万歳、インターネット万歳。これらが無ければ、お父さんの伝統構法改修工事の施主施工は成り立たない。
さて、灰汁抜き方法は至って簡単、水に浸すだけ。夏場なら一日、冬場でも一週間で良いとの事。やってみる。一週間も経たずに灰汁らしきものが一杯。もしかして、藁スサに対して水の量が少なかったかも、と思う程濃い色になっていた。水洗いをして乾燥。
頭に引っ掛かっていた藁スサ手配問題が、お母さんときょうこと貨幣経済とインターネットのお蔭でこれにて終了。