家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

ケイカル板レビュー

 ケイカル板の取付準備は整った。ケイカル板一号は既にカット済。

  さて、このケイカル板。この材について、薪ストーブユーザー諸兄はあまり触れてくれていない。いや、お父さんが気にしていなかったので読み流してしまっていたのかもしれない。頭の中で「石膏ボードっぽい物」。すっかり固まっていたそのイメージは覆された。

 

 以前にも書いたが、重くて硬い。重さは、同じ容量の石膏ボードの1.5倍的な感覚。これはまぁ良い。

 手こずったのは硬さ。まず割れない。石膏ボードだと、定規を当てがってカッターナイフの刃を入れるとパカッと割れる。ケイカル板はそうはいかない。という事で丸鋸に石工用の刃を入れて切断。当然、もうもうと粉が舞う。お手頃価格の集塵機を丸鋸に繋げてこれを抑えようとしたがマシになる程度。集塵機のフィルターはすぐに詰まって効力低下しているのだろうか。汚れる作業はちょっと萎える。

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 硬さについてまだ続く。ビス頭が切れてしまうのだ。下穴を開けて打つが、切れる確率50%前後。やってられない。木も石膏ボードもビス頭は埋まっていくが、ケイカル板はあとちょっとの所でビスが負けてしまう。という事で、下穴を開けた後にインパクトのプラスビットをそこに突っ込む。そして空廻しをしてビス頭分の穴も開けておく。この一手間でビス頭を維持したまま沈める事が出来る。

 

 こんな感じで硬さ故に一手間掛かる。しかし、正直言うとどうってことは無い。化粧になる木材を扱う方がよほど気も時間も腕も使う。工業製品の新建材はなんて楽なんだ、とこの家の施工で初めて知る。

 施工者が楽を出来る。技量等は特段求められない。なので工期も早まるし優秀じゃない平凡な施工者確保で事足りる。結果、施主は安く家を手に入れられる。そのはずなのに、日本の住宅は一向に安くならない。

 耐久消費財メーカーと同じく色々と付加価値を付ける等、手八丁口八丁、あれやこれやで価格を維持している。それでも建物の価値が高まるのなら良いと思うが、設備機器でそれが行われている仕様が結構ある。本質から外れているとしか思えず目を当たられない。そういうお父さんも、現代日本の建築業界に居る時はこれが当たり前と思っていた一人だけども。

 

 ケイカル板一号取付完了後、ふと気付く。外気の排気口に当たる箇所に取り付けた木。捨て床板と仕上げの敷瓦との段差を考慮して取り付けた木。危うくなかろうか。よくよく考えると、薪ストーブに直接的に一番近くなる木。既に隙間は土埋めしている。という事で鑿を使って一部撤去。

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 そんな寄り道をしながら、ケイカル板の切れ端を使ったパッキンを養生テープで仮止めしながら、ケイカル板本体の二号と三号も取付完了。炉壁天端見切りから始まりここまで凡そ4人工。これで炉壁のケイカル板作業は終了だ。次にケイカル板に会うのは煙突チムニー内壁だ。それまでサラバだ。

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