見せない構造
伝統構法の醍醐味の一つかと思っているのが「見せる構造」。構造部分を意匠としてしまう。大工職人の腕や見識やセンスが出る所じゃなかろうか。お父さんの義父であり二人のおじいちゃんの納骨時に行った、四天王寺のお寺のそれはそれは大きな本堂内のそれらの造りにお父さんは魅入ってしまった。
さて、「腕木支持法」による施工と言っても大庇下のような腕木は設けない。こういう所で多少装飾的な遊び心を入れる事も考えてみた。が、力学モーメントとかをかじったレベルでしかないお父さん。小屋梁下に腕木を入れてもし垂直に加重された場合、離れた柱に回転モーメントが発生するんじゃないのか、と頭をもたげる。もっと勉強しとけばよかったな…
というわけで柱と小屋梁は力学的に一体化させる。離れたそれらを一体化するにはパッキンをかませる。柱とパッキンと小屋梁に腕木になるものを通すのだ。これで行こう。これしか思いつかない。
墨を打っていた床から振子を用いて小屋梁に墨を取る。ここでしくじるとオジャンなので慎重に。
本職は通常どうされるのかは知らないが、今回は意図的に柱面をベルトサンダー仕上げにしてから加工する。恐らく設置しながら微調整というのは出来ず、一発設置となりそう。なので、荒材状態での加工によるミリ単位で加工精度に狂いが発生すると不味いからだ。こういう一発設置は避けたいがここは致し方がない。
前回の柱の時よりもちょっと上手に早く出来たが、やはり3時間弱は掛かってしまうなぁ。