家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施工しながら設計する事は性に合わず結構負担だし効率悪いんじゃっ

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 さて、解体を進めながら迷っていた事がこの時期に本決まりをした。それは、元仏間で薪ストーブスペースとなる箇所の土壁温存。

 

 既存は、土壁に仕切られた半畳程度の物置二つに挟まれた一畳程度の仏壇設置場所となっていた。これまでの設計案では、この間仕切り土壁を全撤去して、薪ストーブ本体と周辺道具置き場、それに薪置き場とした開放的なスペースであった。薪ストーブの熱を極力拡げたい思惑からだった。

 しかしながら、この周囲西側以外は開放された空間。果たして土壁を撤去しても良いものか、と解体作業をしながら引っかかっていたのだ。在来工法では壁量計算でアウトになると思われる。同工法の構造力学観点、と言うよりも価値観、固定観念に囚われているに過ぎないのかもしれない。

 

 結果としては、薪ストーブの熱と視覚的解放感が負けた形になる。これらを優先させず、もしかして要らぬ心配なのかもしれないが、土壁温存の方が無難だろうと。家屋全体から見るとこの北西部は土壁を含む構造材が集中的。ここが一つの核となり耐震性に寄与する、かもしれない。

 

 もう一つ、本決まりとまでは言えないが決まった事がある。キッチンだ。北西居室に設ける事は決定していたが、キッチン台の形状や配置が宙ぶらりんだった。

 

 これは、お母さんが決める方が良いとして頼んでいたが、催促しても一向に検討せずにゼロ回答が半年も続いていた。お父さんはこの間、激怒と大激怒の繰り返し。精神的な疲労が蓄積していた。ならば、お父さんが考えれば早い。と思うかもしれないが、以前の仮住まいとしていた住居の施主設計ではそれを行った。しかし、お母さんの資質上、失敗だったのだ。

 今回の設計は、数十年も使用するかもしれない箇所。お母さんの資質に併せ、年老いても使いにくくないものにしたい。途中でまた改修するのは非常に億劫。この改修工事にて完成形を目指したい。

 

 筆舌に尽くしがたいやり取りが行われ、ようやく形が見えたり方向性が決まったりしたのだ。長かった地獄の半年間だった。きょうこも負担だったのではなかろうか。

 しかし、下手な妥協は出来なかった。また、キッチンが完成しないと既存キッチンの解体が出来ず、いつまで経っても門屋住まいが解消されないと憂鬱でもあった。

 

 大いに停滞していた思考だったが、土壁温存とキッチンの概要仮決定に至り、お父さんの頭の中の空白だった必要図面の多くが揃った。造りながら考えられる人がいるし、それを推奨する人がいた。古民家リフォームなので当然だという人もいるだろう。お父さんはこれは苦手だわ。

 

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