家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

フローリング材種の選定

 がっつり施主施工に向けての段取りを進めて行く。その一つ、懸案だった木材調達方法。

 先の施主施工の際は、インターネットで木材類の入手方法は非常に限定的だった事を覚えている。ネット検索は電話帳代わりで、実際に材木屋に足を運んだ交渉をした。しかし今は通信販売がされている。たった数年なのに簡便になったものだ。


 取っ掛かりとして、フローリング材について調べてみた。施主見積作成前から樹種をどうするか悩んでいた。視察旅行での宿に使われていたものはかなり好みだった。樹種は女将に尋ねても不明だったが、おそらく花梨じゃないかと思っている。しかし、結構な価格だ。他にも候補はいくつか出ては消え、と繰り返していた。

f:id:kaokudensyou:20150815104801j:plain←花梨で合ってるかな?


 そんなある日、ふと思い付いたのが杉。価格面からだ。しかし柔らかい。床材としては不向きな扱いにされている事が多い。お父さんもその認識。でも、よくよく考えるとこの家の縁甲板など床板で使われているのは杉ではないのか。比較的硬めの赤身材なのかもしれないが、さほど問題があるようには思えない。それに、床材が柔らかいという事は悪い面だけではないのではないか。踏み心地が良い、とでも言うのか。正直、その違いが分かる自信はないけども。

 フローリング材は洋材が多いように見受けられるが、内材である杉もそこそこある。その中でも、厚さ30㎜もの材もあったり。30㎜とはなんともぶ厚いが、柔らかい杉だとこれぐらいが良さそう。


 踏み心地よりも欲しいのは断熱性だ。床断熱をどうするか答えが出ておらず、もしかしたら施さない可能性を持っている。既存根太が太鼓材なのだ。太鼓材とは、細い幹を平行二辺だけ切除されている材。大引と床捨て板の二面だけ平らで、他二辺は丸いままの断面形状から太鼓と称しているのだろう。断熱材は隙間無く敷設される事が肝要との認識。太鼓材を継続利用するのなら、断熱材との隙間が生じそうなのだ。

f:id:kaokudensyou:20150815105204j:plain←太鼓財実物

 硬い木よりも柔らかい杉は畳の熱伝導率に近い。厚さおよそ
60㎜の畳を無くす分、一般的フローリング厚である12㎜や15㎜より少しでも厚くしておきたいところなのだ。価格的に杉だと可能だ。