家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

石風呂による在来浴室案

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 浴室のような水回りには、凝灰岩の大谷石がよく採用されているように見受けられる。その根拠は割愛するが適材だとは思う。視察旅館の一棟はこれだった。が、凝灰岩の砂砂した表情よりも粘板岩で検討しようと思っている。これは好みの問題。粘板岩は、天然スレートとして屋根材に採用されているようだし、視察旅館の大谷石浴槽ではない方がこれだった。なので、採用に問題無いと思われる。

 檜風呂も考えてみたが心に響かない。ユニットバスを捨てるには好みが優先。檜の香りが数十年レベルで保たれるのであれば揺れたかもしれないけども。

 浴槽壁の天端は木ではどうか。体を浴槽壁にもたれさせた時、または浴槽床で尻を滑らせた時に、頭と首が石だと痛そうだ、という簡単な理由。洗い場床も木でいきたい。石だと、冬場の冷たさでタイルでも悲鳴を上げるお母さんには厳しいだろう。タイルはタイルでも、コルクタイルというものがある。これはサンプルを取り寄せ大いに悩んだ。しかし、石貼浴槽との意匠上の兼ね合いから不採用とした。

 その浴槽は掘下げにしようと目論んでいる、温泉宿のように。どうせ浴槽は石貼だ、酔狂に行こうじゃないか。入水のしづらさは浴槽内に段差を設ける事で対応。この掘下げ浴槽は、温泉宿風にする事だけが目的ではない。換気優先だ。専門家の方の完全受け売り。記憶の薄弱さから、一部想像を含めてこの浴室換気話を書いておこう。

 通常、窓がある浴室内の換気は自然換気と強制換気の二段構え。しかし、自然換気口である窓は一般的浴室だと、立ち上がりの浴槽分高い位置に設置される。浴室床から離れるのだ。浴室が使用されている間、浴室内空気は温まり動いている。窓が無い天井付近に滞留したりもする。この間、天井付近の換気扇による強制換気は行われない。浴室不使用時、水蒸気を多量に含む冷たくなった空気は床に下りてくる。換気の為の窓より下がってしまう、と。それを引っ張り上げる事を期待しての機械による強制換気だが、通常の換気扇はそこまでの能力がない。排出したい冷えた空気は重く滞留。この事から、浴室床レベルに窓がある事は重要かつ有用であり、よほど自然換気の方が効率は良い、と。

 お父さんはこれを真に受けて、この考えを取り入れるのだ。現在、浴室内を暖房により乾燥させる設備がある。換気に取って代わってこの方法が有効なのかもしれない。しかし、お父さんは近年の日本の機械製品の短寿命化がどうにも気に入らない。意図的に買替需要を狙っているのではないか、と疑ってしまう。実際は高性能と引換に過ぎないのかもしれないが、数年はもちろん、
10数年単位で買替などは勘弁だ。

 浴室の壁と天井の仕上材については、なかなか答えが出ず。

 ここで候補に出ないのは、代表的在来浴室材のタイル。寒々しいから。石も同じくだし、重々しすぎるかなとも。ならば木、だがさすがに維持が面倒だな、と。石貼風呂天端と床の木は、補修や取替えを前提とした取外可能仕様を考えている。パカっと外れる様にするのだ。いくら換気に気を使って上手くいったとしても、やはり数年か十数年で黒ずんでくる事を想像してしまう。壁なり天井なりも、同様に取外仕様も考えたがこれは結構大袈裟になってきそうなのだ。都度都度業者にやってもらう、などはあり得ない。

 長らく悩んでいたが、これを書いている現在は候補材が思い付いた。またこれは後日。