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家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

木器時代から鉄器時代へ

 クレーン架台製作で溶接を行ったが、架台強度を素人溶接には求めなかった。もう少し工夫すれば、溶接をせずとも製作できたと思う。なのに、わざわざ溶接機を購入して素人溶接をしたのは何故か。それは、他にも溶接する計画があるからだ。単一用途での設備投資はしない原則は健在。

 他用途の一つは、北側敷地に設置予定の薪用ロープウェイ、これの架線の支柱製作。お父さんの現計画では、ボルト等だけでは製作できないと思われる。

もう一つ、既存スチール階段の移設と修復。既存のトイレ・浴室別棟の屋上は物干場であるが、そこにスチール階段がある。別棟解体で処分予定だったが、北側敷地へ降りる階段として再利用を目論みたいと考えている。なので、サイズ調整等加工が必要になるかもしれない。錆朽ちてしまっている箇所もいくつかあるので、この修繕も行いたい。

 溶接機自体は家庭用。これに、溶接マスク等の周辺道具込みで一万円程度。プロ用のインパクト・丸鋸などと比べれば安い。クレーン、ロープウェイ、スチール階段、これらが活用されれば元が取れる。こういう見込みだけで十分であった。が、少しオマケがあった。

 以前の、そしてこれからの施主施工にて、周囲の人達は何かしら言葉を投げかけてくれる。

「お好きなんですね」。これは、愛想や社交辞令的なものかと思う。お母さんのお母さんはこの施主施工、というかこの広くて古い家の購入自体が消極的、というか反対気味。もし他人だったら、こう言ってくれただろう。

「理想」「憧れ」「羨ましい」。この単語を出される方は、目の輝き、声の張り方などから感情が伝わる。本心でおっしゃっているのじゃないか、と受け止めている。

 一番多いのが「スゴイですね」。特段、自分は興味を持っていないけども、変わった事、無謀な事、大変な事をする、という意味合いのお言葉ではないか。

 お父さんはいずれにも、「いえいえ、お金が無いだけなんで。無茶無謀な事してます。」等と言う。これは謙遜ではなく本心だ。したくてするのではなく作業として、営みとして。何なら、施主施工で浮く最大金額二千万円を受注額とした仕事としてだ。例えば、兼業農家の方が自家消費用にお米を作られる、と同じ感覚とお父さんなりには思っている。
 なので、上手に美しく造るつもりではある。だけども、「楽しんで」という励ましや助言のお言葉に対しても、そう思える自信は皆無。しなくて済むならしないと思う。完成された家で生活する事が絶対目的であり、狩猟や銃の腕を磨いたり勉強したい方がもっぱらな想いだ。
 世間様からは「趣味:DIY、日曜大工」と思われているフシがあるが、実際はこんな兼業施工者なお父さん。家でも家具でもDIYはケチをする為の手段であって、目的行為ではない。

 しかし、溶接機を手に入れて作業をした時、不思議な感覚を抱いた。高みに昇った感とでも言うのか。

今まで何かを造る必要に迫られた時は、木材で考えていた。鉄は、接合材としてか既製品利用だ。それが、鉄材からモノを造っていると感じた時、視野が広がる期待感、新境地に来たような感覚を抱いた。今もDIYに特に興味はなく、何か特定の鉄製品を造る事は考えていない。だけど、どこかで「鉄で何か造られないか」と考えているお父さんがいる…