家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

施主設計:薪ストーブ配置

■薪ストーブ配置

 箱根の向こうの薪ストーブ屋さんのブログを含め、インターネット上での座学をそれなりに行った。これにより、配置案としてはLDK近くと玄関土間の二択で考えていた。


 玄関土間に置くと、灰やら薪やらによる汚れのストレスが無いらしい。大玄関は諸々の動線の支障がある。既に薪置場は北側であり、奥玄関側だ。という事で、置くのならば奥玄関に土間を確保すべきと考えた。

 しかし、この家の場合での玄関土間だと、薪ストーブの世話をしづらいと思われた。薪ストーブの楽しみ方の一つに、炎の揺らぎ具合を眺める事があるらしい。この二点により、人が近くに居るLDKに設置する事が良さそうに思う。暖かさを享受する点からもこれが良い。


 薪ストーブ設置に関してはそれ以外に、煙突と梁との距離確保がなかなかの課題になった。

 煙突と可燃物との距離は150mmは確保せよ、という文言があった。煙突からの熱による、可燃物の炭化を起こさせない為らしい。お父さんは、煙突には二重断熱仕様を前提としていたので、実際にはここまで距離を取らなくとも良いのかもしれない。が、ここは素直に従っておこう。


 ただ、そもそもどこに梁が通っているか、まだ解体できない箇所が多くて完全な確認が出来ない。極力解体しないで悪戦苦闘しながら、見えない梁探しをし、推測も含めて大体把握。そうすると、動線との絡みもあって配置可能場所が限定的となった。動線上だと、既存でいう所の仏間あたりになる。が、思うような所に置くためには、煙突を曲げに曲げないといけない。


 煙突を曲げすぎると、ストーブの空気吸い込み量(=ドラフト)が弱まるらしい。強いドラフトがあるからこそ、炎の調整幅が確保できるらしい。薪のエネルギーを使い切れずにもったいない。ひいては、煙突に煤が溜まりやすくなり煙道火災の危険性が高まるらしい。良いこと無しだ。

 

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 という事で、微妙な寸法調整をしながら位置確定。真っ直ぐ煙突だ。話が前後しているのだが、この配置案は箱根の向こうの薪ストーブ屋さんからお墨付きを頂いた。

 ちなみに、吹抜けは造らない。
 これも今や流行りモノになっている感がする。意匠的に見応えがあったりするので考えてはみた。が、暖房効率を落とすのでやめた。そもそもが階高の高いこの家、さらなる縦視線拡大はいらないだろう。
 一方で、暖気を2階へ送る仕組みを設ける事を考える。開閉式ガラリを、ストーブ直上天井面と2階要暖気居室の床面に造作。また、2階同室出入口上部にこれまた開閉式の欄間を設ける。それぞれを開放した際に暖気が立面をぐるっと回る目論み。さて、うまくいくかな。