家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

「やらない」と「出来ない」は意味が違う

 そうは言っても選択肢が無い。鏝捌きが未熟なのはどうしようもない。諦めもつく。だが、やれる事をせずに出来なかったでは済まん。「やらない」と「出来ない」は意味が違うのだ!!

 

 で、二回目土漉しの実施決定。そこで篩を考える。同じ篩を使う程馬鹿じゃない。

 篩の目は一分と思われる。凡そ3㎜だ。塗厚もその程度。ならば然程問題じゃない、と遥か昔には思っていた。実際は3㎜塗りに3㎜の小石があるとアウト。そもそも網目からは3㎜以上の小石が通過してくるのだな。

 

 要因としては、網の縦線と横線の交差部は可動するからじゃないか。水や手で小石を押す事により、網目は厳密に一分寸ではない状態になると思うんだな。それを踏まえて緩めに漉すようにお母さんには言ったが、それも限界があるだろう。そもそもあのお母さんだし、きょうこは疲れてくる作業だけに早く終わらせたい心境にもなるだろうし。

 さらに、そもそも小石は球ではない。無理なく通過した小石も、角度が違えば網目より大きかったりする。

 

 根本的に篩を新調する事を考えてみる。しかし、施工面積に対して篩の価格は高く感じる。お金を出して解決出来る有難さより貧乏性が勝ってしまう。インターネットを検索してみると、容認出来そうな価格は二千円台。その代物はステンレス製。これなら、現状の木製枠と鉄製っぽい網のボロい物よりいいんじゃないか。

 

 ここで思い出す。古民家先輩のブログだ。

 土漉しに関して言えば、当時お父さんが少しだけ先行。彼が、同様のステンレス製の篩を購入しての失敗談を読んだ。ステンレスを良しとして購入したものの、枠と網の間から泥が直接出て来て失敗。やはり木製の方が良い旨の話。良かれと思った購入道具が失敗とはあるある話やなぁ、とどこか他人事として読んだのだ。

 今や本人事。思い出したので再一読したものの意味がよく分からん。何故にステンレス、と言うか全部金属製の篩なのに泥が直接流れる欠陥仕様なのか。圧力がある等の記述が見受けられたが、それなら木製のボロ篩の方が負けると思うのだが。

 

 早急に入手したい事もあるので、二人と共に巷のホームセンターへ現物を見に行ったがよく分かった。昔ながらの木製品は、枠に網が挟み込まれている。よって、網目寸は必然固定だな。一方金属製は、七輪用みたいな網が取替式となっており、丸枠にただ置き嵌めているだけで固定されていなかった。確かにこりゃダメだ。

 古民家先輩のブログが無ければ、それでも買っていたかもしれない。木製篩は数倍の価格だからだ。読んでて良かった、現物見て良かった。

 

 だが、根本解決はしていない。高額な篩を数日後に手元にするか否か。貧乏性お父さんには即決出来ん。何か節約する術がないだろうか。

 そして出た案が網の重ね合わせ。木製ボロ篩に取替式ステンレス網を斜めにして嵌めて、それを針金で緊結する。完全均一の目とはならないが、かなり期待は出来そう。

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 古民家先輩同様の失敗が起こる可能性は確かにある。しかし、しかしだ。この費用はたったの二百円台なのだ。木製新品は勿論、ステンレス製よりも遥かに安くつく。失敗しても許容範囲だぜ。