家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

小石ズリズリ、小石カタカタ

 平成バブルの建設ラッシュ期。多くのゼネコンや工務店は、次々舞い込む仕事の処理にてんやわんや状態。必然、建材料インフレも巻き起こる。例えばセメントが値上がったり、中には工期通りの確保が難しくなったりする。そこで、例えばモルタルのしごき施工をベテラン左官職にやってもらう。ベテランは早くて綺麗な上に薄塗りが出来て、人工代が高くても諸々元が取れて重宝がられた。こんな事を続けた結果、若手が育たっていない。そんな若手が厳しい建築不況下で生き残られるのか。というような記事を、バブル崩壊後の経済誌で読んだ事がある。

 

 工期は別に良いとしても、材があまり無い中でベテランどころか若手左官職でも無いお父さんが薄塗り。さらに、材自体の質への不安もある。小石だ。若干凹んでくれそうな土下地でもこの小石に悩まされた。凹まなさそうな石膏ボードへ小石入り泥土を薄塗り。上手く行く予感がしない。だが、一応実践。

 

 写真では一見して分からんなぁ。しかし、実物ではよく分かる。

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 やっぱり小石を引き摺る。多少の小石は覚悟済。一つ一つ取り除き、そこへ泥土追加等して均す。と思っていたがその数の多さよ。鏝先で取り除いていって均そうとすると、新たな小石がズリズリ。全部に対応すると半日は費やしそう。

 さらに、石膏ボードならではかと思うが、小石を引き摺るだけでなく転がす箇所もある。すると鏝はカタカタと揺れる。その揺れはちゃんと表面に現れて、均一的な波模様出現。あぁ、ダメだこりゃ。

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 本職はどうしているのだろう。小石ズリズリも小石カタカタも、本職でさえお手上げじゃなかろうか。そうならば、そもそも薄塗りなんかしないのだろうか。いや、材作りの時点で小石をきっと取り除いているはずだ。どうやってかは分からんが。

 本施工の場合でだと再びの土漉し。ゲンナリだ。土漉し作業をお母さんやきょうこにやってもらうとしてもだ。何故なら、泥土がまた水浸し状態になる。工程が大幅にずれ込む。もし、トイレ内壁をやはり漆喰仕上げにしないといけない場合、夏季に施工する事を避けたい。となると春どころか、秋の漆喰左官祭りになってしまう。もう予定が無茶苦茶。