家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

再利用の気持ち良さ

 床板施工を無理矢理完了させた事で、目下の目標、雑巾摺取付を行う。

 取付方法は、世界最強の軍事・経済大国にしてDIY大国でもある国の例の耐水性木工用接着剤、並びに我が日本国の隠し釘による日米同盟方式。例の接着剤使用理由は、左官施工による水の脅威が上方より忍び寄る箇所だから。

フランクリン 木工用接着剤 タイトボンドIII 16oz 473ml

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 そう、春の左官祭りはすぐそこだ。その前に、忘れていそうだから左官は本職施工を検討していた件を改めて。

 初期のお父さんは漆喰が素人向け左官材と誤認。素人施工事例が多い為だ。翻って土仕上げ事例は見つけられず。泥土の天然色具合と石膏ボードへの固着不安も大いに手伝って、土仕上げ箇所だけは本職にと考えた。その後、日本の地で日本方式にて日本製の漆喰を施工する事こそが本当の左官職人の技によるもの、と認識。

 そんな漆喰を施主施工。だったら土仕上げも出来るんじゃね。として行った元奥の間の小壁における中塗土仕上げ施工により、既存との色具合は妥協範囲内となった。しかし、固着問題は未解決。よろしい、ならば実験だ。

 

 事例として二つあった。

 一つはシーラー塗布。石膏ボードに土を接着させるんだろうな、きっと。もう一つは、左官下地材。どういう理屈かまで調べてないので憶測だが、やっぱり接着能力があるんだろうなぁ。この下地材と泥土とは、本来の土壁のような理屈で固着するのかもしれないが。

 この二つは気持ち悪いから最後の手段とした。気持ち悪いというのは、得体が知れないという意味。お父さんは新建材否定派じゃない事は既に述べた。後者の下地材を使って古民家再生工事をされている事例を見て、新建材の恩恵を謳歌していて羨ましくさえ思った。

 

 だがしかし、消極的に捉えたのは効能の寿命が不明な事と、仕上材の再利用が可能なのかが分からないからだ。

 前者は散々述べて来たので説明不要だろう。後者に関しては、自然建材の容易な再利用性を有難く思っている事からに依る。木材は勿論、土壁材にも大いに感じている。流石に使用済漆喰の再利用はお父さんには出来ないが、それでも敷地内雑木林にポイっと出来る簡便さ。何より、中塗り以下の泥土の再利用性の高さは気持ちが良いんだなぁ。これを上手く説明出来ない。単に貧乏性だからかな。得した気分が確かにあるし。

 

 その反面、石膏ボードは施工は楽だが気持ち良くはない。現在、酸性土壌の中性化を目論んで表面紙を剥がして粉末化するとか多大な手間を掛けない限りはゴミでしかない。

 もし、シーラーや新建材左官材が混じった事で泥土の再利用性が低下や喪失する事になれば、こんな気持ち良くないゴミを追加してしまう。将来の子孫による改修工事等の事を思うと、何だか悪い気がする。自分がされたら嫌な事を人にしない、と道徳の授業とかで習った気がする。

 それでも、大人になってしまったお父さんは手が無ければ諦める。手が無かったから米国製ボンドを使ったりするし。要は程度の問題だな。