家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

女性自身だからって信じない

 その頃は左官等で時を過ごしたが、ついでにその時に片付けておいた。それは、シンク前面の土壁のタイル下地施工。

f:id:kaokudensyou:20180105162901j:plain f:id:kaokudensyou:20180105162912j:plain

 

 タイル採用とした事で出る問題は、土壁にどうやってタイルを施工するのか。

 シンク前以外は石膏ボードであり何ら問題無い。モルタル壁じゃなくとも施工事例は数多ある。接着剤でペタ、だ。だが、あの土壁表面に、浸透性が無さそうなタイル用接着剤が乗ってくれそうにはとても思えない。何とか乗ったとしても、ある日、接着剤ごとタイルが浮きそう。タイルを躊躇していた要因の一つでもある。

 

 そうなると、モルタル接着しか方法が無いのではないか。接着剤よりもモルタルの方が土壁と絡まり易そうだし、タイルの保持程度ならモルタル自体の強度にも期待出来るんじゃないか。いや、待てよ。強度があり過ぎて、家がちょっと動いたら割れ易かったりしないのか。いや、でも、接着剤と目地材もあるから。いっその事、下地板を貼る方がいいだろうか。

 等々思いあぐねていた際、ふと思い出す。砂漆喰実験をした際の硬化後のモルタル感だ。あの感じ、接着剤とタイルを受け止めるには十分ではないか。土壁との絡み接着具合は折り紙付き。強度面もモルタルより塩梅がいいかもしれない。これならタイルはより現実案だ。そんなこんなで、面出しに気を付けながら施工していた。

 

 次に母材であるタイル選定。タイル案の前提であるシート材、という事で100㎜角は除外。逆に、シート材ではなく300㎜角等の大きなタイル、何なら石材も考えてみた。このような大きな材は大体にして厚め。これらを前提としていなかった設計の為、施工面と柱等とのチリ寸が確保されていなかった為、却下。

 

 そうなると必然、モザイクタイル等の小さなタイルに絞られる。モザイクタイルも複数種あるが、パッと思いつくのは10㎜~30㎜角程度の粒タイル。モザイクタイルの代名詞、と思える程に採用事例が数多。その中でもよく目にするのは、女性ウケしそうな可愛らしい感じのもの。何なら、女性自身で施工したという内容も幾らでも検索出来る。それ程に簡単、とお父さんはもう騙されんぞ。

 

 当該施工場所もこの手の物で違和感が無いと思う。可愛さよりもスタイリッシュな感じの物もあるから尚更問題無い。しかし、粒タイルは当然、施工面積に対する目地が多くなる。折角、防汚と掃除簡略を目指すのに、モルタル系の目地部が多くなると効果半減のように思う。100角タイルとまでは行かないが、粒タイルよりは広いタイルを目指したい。

 そこで思い付いたのが長方形。と言って、レンガのようだと洋風感が出そうなのでこれを避けての細長形のボーダータイルというタイプ。そして、それを縦貼りする。イメージは細格子。

 画像とは印象が違う事が大体通例、と言う事で複数のサンプルを複数回取り寄せ。ああでも無い、こうでも無いとお母さんと相談の上、一シートに24粒物を決定。取り敢えず漆喰でも塗るか、程度しか積算段階では考えていなかった為、予算立てはしていない。よって、比較的安価な物とし、さらに割付にも手間を惜しまず厳しい数量を発注した次第。