家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

ナイフから感じた市場原理

 さてその後、狩猟ナイフを得る。常にお金が無く、趣味は無く、友人等と遊興する事も制限を要した青春時代を過ごし、結婚後も投資の為に倹約一辺倒で、尚且つ刃物の事にも無知だったお父さんにとって、それはそれは高価なナイフである。その名は、Bark Riverの「Fox River 3V Desert Ironwood-White Liners」という代物。革砥で砥いだだけの状態だが、なかなかスッパンスッパンだ。

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 これは、初めてアメリカから個人輸入して取得。節約の意味合いもあるが、直接アメリカの通販サイトで選ぶ方が品数が多い。日本の狩猟の歴史は長いものの、現代日本の方が狩猟市場は非常に小さく、かつ特殊。よって、産業として貧弱、多くの物は狩猟大国アメリカより商社等が輸入している。以前、キッチン換気扇のモーターで触れた、自国で優れた物が作られている事の有難さ。それは猟具探しで痛感していたが故の話。

 

 このアメリカ製ナイフを買う前、他にもナイフを得る。その鍛造ナイフは、越前の黒崎優というお父さんぐらいの年齢と見受けられる若手鍛冶の方による、「雫4型R2粉末ハイス鋼ダマスカス マイカルタ柄」という物。国産で優れた狩猟ナイフが造られている事は喜ばしい。そして、とても美しい。使うのがちょっと勿体ない。

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 これはお母さんからのプレゼントだ。結婚記念日として越前にドライブしに行く計画になった際、このナイフの話をし、ついでに工房か展示場に寄りたい旨を相談。そこからお父さんの誕生日にと言ってくれた。この黒崎ナイフは、Fox Riverナイフをさらに上回る金額。お母さんは諸々に無頓着な人とも言うが、こういう所はおおらかな人とも言う。

 黒崎ナイフは受注生産品。発注から納品まで相当の日数を要した。その間、もう後戻りが出来ないと腹を括って、目を付けていたFox Riverナイフを発注したわけなのだ。