行き当たりばったり工程
引き続き塗装工程を進めたい。左官壁との取り合いから、出来得る限り亜麻仁油が硬化している状態が良い。滲んでしまったりするから。そこで、長らく手付かずで素地状態のトイレ周囲五本柱の塗装を行っておきたい。
←建てた頃のトイレ五本柱
しかしながら、綺麗に塗った後で、胴縁間柱やら付鴨居等の周辺施工をする事は憚られる。さらに、胴縁間柱材は既に納品済。中塗土や漆喰の練置き等で手持無沙汰の際、この施工をしようと発注。だけどもその機が無く今に至る。こんなちょっとした材を早々にわざわざ届けてくれたのに未だ放置とは、製材業者氏にバツが悪い。よって、やってしまおう。
そんなこんなで始まった、いつ以来かの久方ぶり大工工程。
胴縁と間柱の交点、仕口の加工は以前と同じく「相欠き」。仕口と書くのが恥ずかしいぐらいかなりシンプルな加工。だけども勿論、イモ留めよりは手間を要す。高さ4m弱、巾1尺弱を2面分と、高さ2m弱、巾1尺弱を1面分だけで1.5人工程だったかと思う。
次。元押入で、小便器スペースになる箇所への施工。ここはちと面倒臭い。まずは、ダイニングの床梁を造らんといかん。それが、小便器壁の一部となるのだわ。一本の短い梁材を入れるだけ。一見、大した事がない作業。確かに難度は高くない。しかし、面倒臭い。
何が面倒かと言えば、まずは本施主施工にずっと付きまとっている姿勢、製材から始めるという事。形状が適していそうな材を発掘しては、節や傷や既存加工等の不具合部分と完成形とを脳内で見比べて取捨選択。と言ってもほぼ捨てる方を選択。そんな事をしていると施工が進まないので、その中から色々妥協して採用。そこからようやく製材。
この次に面倒なのが道具の段取り。ちょっと違う施工をするだけで、内容によってはありとあらゆる道具を引っ張り出してくる事になる。一工程をずっと行うような段取りを心掛けてはいるものの、中々そう容易には行かず、又は出来ず。作業によっては予見出来なかったりして、一つの道具だけを取りに行ったりする事もしばしば。結果、道具を段取りして片付けて、とかだけで何十往復をする事もしばしば。
製材やら道具段取りやらは自業自得な事だけど、素人大規模施主施工では有りがちじゃなかろうか、そして、チリも積もって馬鹿に出来ない山となっているように思ったりする。
という事で、引き続き当該箇所の施工をしてしまおう。内容は、北側縁側撤去部の床組。
以前にも触れた何故か異様に多い根太。これを外して流用する。同じ流用でも、床梁のように製材しないだけ気が楽だ。と、捨て床板を外したら根太長さが半分。なんでやねん。全くこの根太は不思議でならん。既納入分のサニタリー部の新床用大引材を半割りして流用。簡単ながらも、結局は製材を要す。
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新設した床梁にホゾ穴を掘って、根太を仮置きして床レベル出し。そこから大引、束へと逆施工。お父さんの場合は、部分的床組施工の場合はこの方がやり易い。
で、散々散らかした道具を片付けて、床梁から締めて凡そ2.5人工。道具を段取り等してくれる手元がいたり、購入新材があれば製材作業も捨て床板外しも不要で、ならば1人工は切っていたかもな、と無い物ねだり的思考をしてみたり。
ちなみに、この床組は水平ではない。西側から東側方向へ下がっている。もしかしたら逆だったかもしれないが、何にせよ水平ではない。当施工箇所周辺の床材との兼ね合いからだ。既存が水平ではないのでおかしくなってしまうのだ。歩行に問題ない傾き具合なので既存共々修正しないし、お父さんの瑕疵工事ではないのであしからず。
新設床梁の設置により、小便器スペース床のレベル出しと壁下地施工が可能となり実施。これらに1人工。トイレ廻りの古色塗装を行おう、と始まった作業は凡そ5人工に至るが、まだまだ前段階は終わらない。