家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

これが世間一般程度と思しき「施主施工」体験

 という事で、件の漆喰業者は高いから食材業者からコンニャク粉を別途発注。粉が余ったらコンニャクにして食べようっと。

 施工面積が僅かな事もあり、水1リットル分にて作ってみる。この分量でだと、確か粉は5gだったかな。指先一つまみ、という量。重量比率が0.5%ごときで本当に糊になるのかな、と半信半疑。しかし、20~30分程かき混ぜているとドロドロしてきた。これにはマジでビックリ。

f:id:kaokudensyou:20170719201911j:plain

 

 これをペンキ塗り用のローラーで塗布しながら寒冷紗を接着。この道具選択は失敗。刷毛の方が良かったかもしれない。しかし、翌日、観た感じと触った感じからしっかり接着されている模様。よって、いざ漆喰施工決行。

f:id:kaokudensyou:20170719201932j:plain

 

 水引きが止まるまで水湿しをしろ、と件の漆喰業者。綺麗に塗る為には重塗りをしろ、と件の漆喰業者。ならば、素人だって綺麗に出来る、と件の漆喰業者。だがしかし、全然上手く行かなかった。

 

 コンニャク膜が大いに働き、塗付前の水引きはほぼ無し。びちゃびちゃだ。それが落ち着いた所で塗付。だけども、材が寒冷紗の上を滑りまくる。連続的に重塗りするも、一回目塗付材が一緒に動いてしまい、ずっと手直ししながら塗付という感じ。水引きの頃合いを観て「こなし」をするも、鏝に塗付材が引っ付いて来て再び動いてしまう。「押さえ」もままならない。出来上がりは凸凹して汚い。

 

 この敗因は、土下地用材と土下地感覚で施工してしまった事と考えている。

 材に関しては、スサと糊と水が多過ぎ。販売時の付属品としてあった僅かなスサと糊を遵守すべきだったのではないか。

 また、連続した重塗りだと、材厚から空気に直接触れる表面と内部との乾燥差が大きいようだ。重塗りをするなら、一回目塗付材が動かない程度まで乾いてからじゃないといけなかったのではないか。

 

 そんな訳で、先生と違って砂漆喰を使わないのは、水引きしづらいコンニャク糊下地だからなのだ。水引きせず平面が出ているコンニャク石膏ボード。という事で、土下地用配合漆喰にて塗付は一回として、キッチン側だけ再施工。

 ちなみに、この再施工も悩んだのだ。漆喰をこそいだ際に寒冷紗をグチャグチャしてしまえば、それはそれは面倒になりそうだと恐れた。結局、後悔する事の方を恐れたのでこそいだが、土下地と比べてそれはそれは綺麗に簡単に早くこそぐ事が出来た。

 

 あぁ、世間様の言う通り、やっぱり素人向け漆喰施工には新建材だわ。

 施工者や設計者で「施主施工を応援」とか謳いながら、結局の所は漆喰塗りぐらいしかさせないっぽい所がある。施工者側の勝手都合な看板倒れ宣伝だと思っていたが、普通の多忙な施主からすれば簡単だけどやった感を得られて丁度良いんだろうな。土下地に比べれば無茶苦茶楽チンでええわぁ。この程合いで「施主施工もしたよ」と思えるぐらいが、賢くて満足感があって総合的に幸せかも。