家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

「藁スサ入り泥土」とは違う「麻スサ入り漆喰」攪拌

 付鴨居設置により一枚高壁を二枚壁にする事に成功。狭い場所で足場を工夫しながら四苦八苦して漆喰施工を実施。まぁまぁ許容範囲の出来上がり。

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 と思った矢先、またもやヒビ発生。んんん、もうイヤっ!!

 既調合品である城かべ漆喰を使用する事で材料問題からは開放された、と思いきやまたもやヒビ。お父さんが思うに、気候の変化じゃないかと思う。

 以前、薪ストーブ直上垂れ壁への施工では、同漆喰に何ら追加せずにそのまま使ってもヒビが起こらなかった。砂漆喰の糊の分量を勘違いして水引きを止める効果は低かったにも関わらず、だ。時は五月初旬、気温10度代前半で湿度は50%辺り。長袖作業服を着ての頃。

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 付鴨居区切壁の施工は六月上旬。とっくに暖かくなって半袖作業季節。と言っても、砂漆喰の糊は効いているようであり、水引きをそれなりに抑えているように思われた。だけど、ヒビ。

 テレビで観たパン職人さん曰く、その日の気温と湿度を見て生地の作り方を変えると言う。流石は職人、お父さんには出来んのだろうなぁ、と思っていた。そんなに変わるもんかね、ともちょっと思っていた。しかし今、それを求められ、考えも改められた。

 

 配合実験の日々再来。学習したお父さんは、壁全面施工する前に部分的塗付けに変更。これにより、諸々の負担や材浪費は劇的に減った。しかし、漆喰施工は長らく停止。再配合と再塗付の上、乾燥待ちして結果を見る。この一実験に一日を要する。これを配合を変えながら繰り返した為。

 結局、ヒビが起こらない配合結果は、先生の本漆喰配合に結構近づいた。既調合品で安く楽をしようという目論みは減じてしまう。

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 それでも上手くいけば良しだけども、そうは問屋が卸さない。既に練った漆喰にスサと糊を追加投入する。これがどういう事を意味するか、二人には分からないかもしれない。お父さんはイマイチ分かっていなかった。

 

 スサの仕込み方は先生に倣うようにするようになっていた。DVDを観たなら分かると思うが、竹で作った道具にてスサを叩き解すんだな。練る前にもこれをし、配合実験によりスサを追加する際にもこれをする。そして、スサ材用羽根を付けた攪拌機で思いっきり攪拌。

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 だが、後投入したスサは均一になんて混ざらない。それの何が問題か、と言わんばかりキッチン南側上部壁を施工。

 すると、ものの見事に凹壁が出来た。先生は、スサの塊は水を吸っているので乾燥後に収縮する、という旨をおっしゃっていた。まさにこの事じゃなかろうか。

 パン生地の発酵が弱いからと言って、途中でイースト菌を追加するような物なのかもしれん。麻スサは勿論ながら、粉末状の糊も追加投入による攪拌は結構難儀。新規攪拌時でも、下手な投入順序や方法を行うとイマイチだったりする。それは、出来に直結したりするから悲しい。

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 ただ、ヒビは出なかった。なので、このまま見ない事にしようかと思っていた。だが、ふと視界に入る度にモヤモヤ感必至。結局、該当する漆喰を全部こそぐ事にした次第。

 これ以降、先生が短いスサにて行われていた、ポリバケツにスサを入れて網を張った上でブロワーで攪拌する方法を長短関わらず行う事にした。また、塗付時にスサ塊を見付けた際には、排除、若しくは解すように気を付ける。結果、この手の凹は見受けられない。