家屋伝承

我が子たちに伝えておきたい、伝統構法の我が家のこと。

付鴨居の謎、多分解明

 周囲の中塗土や漆喰の仕上げを終えて薪ストーブを設置するのは、流石に五月中には出来るんじゃないか。そんな去年末の予定、いや、予想は大いに外れ。六月に突入したものの、中塗土再施工どころか漆喰に悪戦苦闘の日々。

 甲乙丙のヒビ残存壁に手を付ける気は毛頭なくなっている。「貧すれば鈍する」ならぬ、「疲んすれば鈍する」。素人施主施工におけるハナから妥協姿勢を揶揄していたお父さんは地に落ちた。妥協を通り越して手抜き工事だな。ならば、建材や施工法でハナから妥協した方がマシだ、と言われると反論の余地無し。ハナから自己技量に応じた妥協な皆さんは大人、と宗旨変えを考えるこの頃。

 

 だとしても、何が何でも本職には依頼しないし、漆喰施工を断念しない。今更そんな事をしてたまるか。今までの苦労と疲弊が本当の無駄になる。無駄になるのは竣工後に使わない漆喰施工スキルだけで十分だ。という事で立ち止まらずに施工の模索を継続。

 そんな段階のお父さんにとって厄介な壁がある。甲乙丙の甲壁がある元階段下収納スペースであり、引き続き収納スペースにする予定の壁二枚。床から天井まで3mを超える。しかも、狭い。脚立を普通に立てられない。まず間違いなく漆喰塗りを綺麗に出来るとは思えない。

 

 そこで、この壁を上下に区切る事を考える。区切材、そう、それは付鴨居。どうやって施工すれば良いか分からないまま棚上げ状態の付鴨居。必要に迫られて改めて検索してみるが、やっぱり見つけられない。 

 そういう事で、自己案の施工法とする事にした。材の一端にホゾを設けて、柱にはホゾ穴を掘り接続。材のもう一端はイモのまま柱に釘打ち。このままだと釘が見えて不細工。そこで、材のイモ側端部だけ太くして釘打ち代とし、それに接する箇所の土壁をほじくって、土を埋め戻すと釘が見えなくなるようにした。

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 ちなみにこの後日、改めて幾つかの既存付鴨居を脚立の上から見た際、釘頭が見えている所を見つけた。何てことは無い、本職だってやっていた簡単な方法だったわ。これまで見つけられなかったのは、本職が伝統的施工法かでやっているんだろう、という思い込みがあったからなのかもしれん。